2020年6、7月に3回に分けて組織の知識について連載しました。その際は、「過去トラ」を主体にしたノウハウについて具体的に記載しました。
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今回は、私が中小企業様の支援を通じて痛感した「組織の知識」を有効活用するための管理のポイントについて紹介します。
先の連載でも記載しましたが、JIS Q 9100:2016(以下「規格」という)では次の通りに、組織の知識が要求されています。

7.1.6 組織の知識
組織は、プロセスの運用に必要な知識、並びに製品及びサービスの適合を達成するために必要な知識を明確にしなければならない。
この知識を維持し、必要な範囲で利用できる状態にしなければならない。
変化するニーズ及び傾向に取り組む場合、組織は、現在の知識を考慮し、必要な追加の知識及び要求される更新情報を得る方法又はそれらにアクセスする方法を決定しなければならない。

先ず、知識を理解する上でのポイントは、7.5文書化した情報で要求される文書と7.1.6 組織の知識の違いです。文書は、個別の製品の実現に必要な図面、作業指示書、作業手順書、検査手順書等です。一方、知識は企業様の知的財産である標準、要領書(マニュアル)、技術的ノウハウ、戦訓集等です。これらの知識は、例えば新入社員等の教育、企業様の技量を要する特殊技術の伝達・改善等に活用できるような資料と考えていただければ分かり易いです。

一番大切なのは、潜在的な知識も含め、顕在化させて組織内で共有化し、誰でも活用できる状態にすることです。そのためには、現在ある知識を何でもいいから、各自に抽出してもらい、リストアップすることです。知識の対象基準をあまりにも厳格にするとなかなか抽出されません。

その後に知識の対象とするか否かを社内検討されれば良いです。そして、抽出された知識は管理担当者等を明確にした一覧表等を作成することにより、必要時に誰でも活用することが可能になります。また、知識を活用した際に、不適切な箇所が発見された場合は修正し、情報が不足している場合は追加更新し、知識のブラッシュアップを図ることが大切です。

知識の最大のポイントは、先ずは知識と思われる資料を明確化し、共有化することがキックオフです。

文責 松田