契約要求事項の理解 第9回 ~スペックについて1~
契約要求事項の理解 第9回 ~スペックについて1~
前回は、スペックツリーの話などをいたしましたが、今回と次回では、スペックの種類について話をします。
スペックには、国際レベル、地域レベル、国家レベル、団体(業界、企業等)レベルに大きく分けることが出来ます。これを図で示しますと下記のような形のピラミッド状になります。
個々ついて簡単に説明します。
国際レベルでは、
・ISO:International Organization for Standardization 国際標準化機構
各国の代表的な標準化機構から構成された機関で、国家間の製品サービスの交換/流通を
支援するための活動と知的活動、科学的活動、技術的活動など国際協力の発展を目指すものでISO9001(品質)、ISO14000(環境)、ISO27000(情報システム)、ISO45000(労働安全衛生)などがよく知られています。
地域レベルでは、
・EN:European Norm 欧州規格
欧州地域におけるEU(欧州連合)の加盟国間で貿易の円滑化と産業水準の統一を推進するために制定されたもので、EN9100(JIS Q 9100と内容は同じもの)などがこれに該当します。(航空宇宙の品質マネジメント要求の9100は、ISOのレベルにはなれませんでした)
国家レベルでは、
・ANSI(American National Standards Institute米国規格協会)、
・BS(British Standards英国規格)、DIN(Deutsche Industrie Nomenドイツ連邦規格)、
・NF(Norme francaiseフランス国家規格)、
・JIS(Japanese Industrial Standards 日本工業規格)などがあります。
航空機宇宙関連スペックでお目にかかるのは、ANSIなどがあるかと思います。例えばANSI Y 14.5(AMSE規格にもなっていますが)は、図面における寸法及び公差記入法に関する規定です。
この国家レベルより上位のスペックは、制定レベルが国家~国際レベルということであり、その性格上からも製品プロセスを規定するものよりは、システムとしての管理要求とか技術基準などを規定するものが多いようです。
次回は、製品、プロセスなどの要求に直接繋がる団体(業界、企業等)レベルのスペックについて話をさせていただく予定です。
ご期待ください。
文責 山本 晴久
「続き(第10回)を読む」
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