前回は、注文書の例を示しましたが、今回は、受注時に入手する技術文書の中で最も重要なものの一つである図面とスペック(技術仕様書)について少し解説したいと思います。

先ず図面がすべてのスタートポイントになります。三面図で部品の寸法/形状とその要求公差などが示されますが、図面の注記から図面解釈に必要な情報、処理工程(関連スペックなど)、品質基準なども呼び出されますので、注意深く読み取ることが必要です。

図面から引き出したい情報は、図面によっても異なりますが、一般的には下記のようなものと考えられます。

①部品材料に関する要求
材料の製造形態(鋳造/鍛造など)、材質、材料スペック、素材番号などが示されます。

②製品の寸法/形状に関する要求
・部品の寸法/形状に関する要求をノミナル値(公称値)と寸法/形状公差で、また、表面粗度などの仕上げレベルなども示されます。
・最近の図面では、公差は、幾何公差で表示されることが多く、これを保証するためには、三次元測定機での計測が必須となります。
 また、薄肉の部品では、拘束状態で計測するなどの要求もあり、注記に示されます。
・重要度の低い寸法/形状では、個々に公差を示さず、一般公差という形で定められるケースもあります。この場合の一般公差は、
 図面の注記などから呼び出されます。
・機械加工で生じるミスマッチなどもクリティカルな部品では許容するエリアを指定する場合などもあります。

③図面解釈方法
・一般的な図面解釈方法として、一例として上記の幾何公差の公共スペックでは、ASMEY 14.5“Dimensioning and Tolerancing”などが
 あります。更に、OEM(最終製品取りまとめ会社)によっては、個々の会社で図面解釈の方法を規定している場合もあります。
 その際は、図面注記に、「図面解釈は、スペックXXXXによる」というような表現で呼び出されますので最初に内容を確認
 しておくことが大切です。

④特殊工程の要求
・熱処理、表面処理、非破壊検査、特殊表面仕上げなどいわゆる特殊工程は、図面の注記からスペック番号で呼び出されますので該当
 スペックの内容を確認します。
 その中に、顧客承認の要否、使用設備や作業者認定等の要否などが示されます。更に、そのスペックから設備、材料、試験などの
 関連スペックが呼び出される場合も多いので更に調べる必要があります。スペックツリーなど作ることも抜けをなくす意味で
 効果的でしょう。

⑤外観判定基準
・外観検査の判定基準などは、図面注記から呼び出されます。簡単な場合では、有害な欠陥(バリ、カエリなど)がなき事のような
 場合と航空エンジンの回転体などのクリティカル部品では、許容される欠陥の種類とサイズ、判定基準をスペックにして呼び出される
 ケースなどがあります。また、スクライバー(キズの上を引っ掻き棒でなぞる検査)を使うなど検査方法を指定されることもあります。

⑥マーキング方法
・マーキングするエリア、マーキング方法、項目、文字の大きさなどが指定されます。
 マーキング方法は、スペックで規定される場合もあります。

以上が図面で要求される主要な要求事項の例です。航空宇宙関係では、言語が英語であることが多いので、技術用語の英語表現にも慣れておく必要があります。

文責 山本 晴久