前回は、秘密保持契約の説明をいたしました。取引を開始するにあたって契約上の取り決めをすることが必要になります。継続性のある契約では、取引基本規約書を交わすのが一般的です。今回はその取引基本契約書の解説をいたします。この契約を交わすことで顧客の取引口座を開設していただくことにもつながるものです。

3.取引基本契約書 (前回からの連番で3項としています)
取引基本契約書では、契約全般の取り決め事項を双方の合意の下で取り決めます。そして、詳細の取り決めが必要な場合には、個別契約書で取り決めます。契約内容により異なりますが、ここではごく一般的な取引基本契約書の主要な項目を列挙します。甲は顧客で、乙は自社としています。

①目的 契約の目的を定める条項で相互の利益を尊重し、公正な取引内容を記載する。
②個別契約 製品の品名、数量、単価、代金総額、納期、納入場所、支払期日、発注日、その他の取引条件は、個別契約で定めるものとする。
③納入 納期までに納入場所に製品を納入する。納入できないときは、直ちに、納入予定などを甲に申し出て対応協議する。納期までに納入できずに甲が被った損害を甲は乙に賠償請求することが出来る。
④検査・検収 甲は、納入品を受領時に、直ちにその仕様、品質、数量などの検査を行う。検査基準は別途、甲乙間で決める。
⑤危険負担 製品が毀損した場合、甲の責でない限り乙の負担とする。
⑥代金の支払い 製品が毀損した場合、甲の責でない限り乙の負担とする。
⑦瑕疵担保責任 甲が製品の引き渡しを受けた後、一定期間(1年など)内に、引き渡しの検査で容易に発見できない瑕疵(隠れた欠陥)を発見した時は、その瑕疵責任は乙にある。
⑧権利の譲渡禁止など 甲及び乙は、あらかじめ相手方の書面による了承を得ないで、本契約に基づく権利または義務を第三者に移譲継承させてはならない。
⑨契約解除 契約解除できる条件としては、監督官庁から営業停止処分を受けた場合、手形、小切手の不渡り又は支払い停止になった場合、解散/合併などを決議した場合などがある。
⑩管轄裁判所 裁判上の紛争が生じたときの管轄裁判所を予め指定する。
⑪有効期間 契約締結からX年とし、期間満了30日前までに甲又は乙から文書による解約の申し入れがない限り、さらに1年間継続されるものとし、その後も契約期限まで継続される。。
⑫協議事項 基本契約にない事項、本契約の解釈に疑義を生じたときは、甲と乙は双方で協議し誠意をもって解決に当たる。

契約に関する取引基本契約書の存在は知っていても、あまり見ることはないかと思います。
見ていただいた通り、甲と乙の特に乙の責任が明確に書かれています。⑦項の瑕疵担保責任では、引き渡し時の検査の基準などに注意が必要です。

自社の契約で客先との間でどのようなことが規定されているかなど、機会があれば契約書をチェックされるのも、いいのではないでしょうか?
次回は、注文書について解説します。

文責 山本 晴久