製品の不適合が発生した時に、根本的な原因は何か?また、その対策はどうすればいいか? を分析する手段として、よくなぜなぜ分析が使われます。契約の相手方の企業からもクレームを発生した際などには、このなぜなぜ分析の提出を求められることもよくあるかと思います。

筆者も品質保証部門にいた当時は、このなぜなぜ分析をよくやったものです。しかしながら、なぜを繰り返していくうちに元に戻ったり、原因と結果の関係になってなかったりして、茶の木畑に入ってしまったという苦労をした覚えもあります。今回からシリーズでこのなぜなぜ分析を取り上げて行きたいと考えています。

今回は初回として「なぜ?」と問いかけることの大切さを良い例と悪い例で話したいと思います。

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先ず、良い例を山本(筆者)と工場訪問の際のA社員の会話で示します。

山本 :最近、検査の調子はどうですか?
Aさん : 調子はいいですよ。
山本 :なぜ調子がいいのですか?
Aさん :最近は、以前のように不適合を後工程に流すことがないからです。
山本 :なぜ流出不適合がないんですか?
Aさん :検査の勘所が分かってきているので、いいものは次工程に流れるのが、悪いものは確実に止めているからです。
山本 :それはすごいですね。ところで新人が来たらどうなりますかね?
Aさん :検査のコツは分からないと思います。
山本 :私もそう思う。だったらあなたの経験を指導書などにしてみたらどうですか?
Aさん :そうですね。必要ですね。

→ 検査のやり方を標準化し誰でも出来るようにするがなぜを繰り返して分かったことです。

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次に悪い例です。

山本 :最近調子はどうですか?」
Aさん :調子はいいですよ。
山本 :出検される製品の品質が良いからなのでしょうかね?
Åさん :データを取ってないのでわかりませんが、そうかもしれませんね。
山本 :これからもしっかり検査してくださいね。お願いします。
Aさん :はい分かりました。

→上記のような会話で終わっていれば、この状態を続けるために何が必要かということが、浮き彫りにされてこないことは明らかです。

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なぜなぜ分析は、品質問題(例えば納入後のクレームなど)の根本原因(Root Cause)を探求するときに時に使いますが、その品質問題を発生させた原因が一つでなく、複雑に絡み合っていることもよくあるのではないでしょうか? また、検査で見つからなかったことにも原因があります。

そのような場合に「なぜなぜ」を何回か繰り返し問いかけることで真の原因、対策を検討していくことが出来れば、少なくとも再発は防げるでしょう。次回以降、なぜなぜ分析のやり方を解説していきたいと思います。

文責 山本 晴久