前回に続き、なぜを何度も繰り返すことで真の原因がわかり、的確な対策が取れるという例をもう一つ説明させていただきます。
具体的には、ある工場で作業中のロボットが突然止まったという問題の原因究明と対策です。
さて、なぜなぜ分析を始めます。

事象:作業中のロボットが突然止まった。

なぜ1 なぜロボットが止まった?
:ヒューズが飛んだ。  → ヒューズの交換

もし、ここでロボットが動き出せば問題ないと判断してしまえば、ヒューズが切れたのでロボットが止まった、ヒューズを交換した。OKということになります。これでは、処置をしただけで、問題の根本を改善したことにはなりません。

更に
なぜ2 なぜヒューズが飛んだ?
:ロボットのカバーを外し、中を見るとベアリングが壊れていた。
→ ベアリングの修理
なぜ3 なぜベアリングが壊れた?
:ポンプの潤滑油を送るところに切粉が付着していた。
→ 切粉の除去
なぜ4 なぜ切粉が付着した?
:切粉が入らないようにするフィルターが外れていた。
→ フィルターの再装着

となぜを重ねて問いかけると問題が判明し赤字で書かれた修理とか清掃をしますが、これでも根本的対策ではなく、処置をして、ロボットを再スタートさせたというだけです。

そして
なぜ5 なぜフィルターが外れた? の最後の問いかけで初めて、
:フィルターが簡単に外れるかもしれない。
→固定方法を改善して外れないようにした。

即ち,この問題はフィルターが外れやすく、青字の通り固定方法を改善しなければ、また切粉が流れ出し、ベアリングを壊し、ヒューズが飛び、ロボットが停止するという状況を再発させたことでしょう。

このように問題を対症療法的にとらえて、処置だけするということでは、本質的に問題解決しないことを理解していただけたかと思います。

即ち、この場合のなぜなぜ分析は、下記のようになぜ5までを一気にやることが必要だったわけです。

事象:作業中のロボットが突然止まった。
なぜ1:ヒューズが飛んだ。
なぜ2:ロボットのカバーを外し、中を見るとベアリングが壊れていた。
なぜ3:ポンプの潤滑油を送るところに切粉が付着していた。
なぜ4:切粉が入らないようにするフィルターが外れていた。
なぜ5:フィルターが簡単に外れるかもしれない。
→固定方法を改善して外れないようにした。
(片山 修 著 「誰も知らないトヨタ」から引用)

お判りいただけたでしょうか?
前置きが長くなりましたが、次回以降は、本題に入りたいと思います。

文責 山本 晴久