以前、弊社のJISQ9100の定期審査で認証機関のトップマネジメントインタビューを受けたときのことですが、マネジメントレビューで報告する内部監査の指摘件数が最近の数年間は、減少していることが話題になりました。

この指摘件数の少ないことが意味するところは、QMSの運用が非常によくできているため指摘がないと考えるべきか、内部監査そのものが十分機能してないと考えるべきかで議論になりました。
確かに以前は、毎回7~8件出ていたものが、近年では1,2件しか出ていない場合にどう評価すべきか、なかなか難しいのテーマではないかと思います。

これに関する筆者の考え方を少し説明したいと思います。

1.監査員と使ったツールの確認
先ず、指摘件数が多いとか少ないとかいう前に、内部監査がどのようなメンバーにより実施されているか? どのようなチェックリストを使って実施しているか? などを分析・評価することが大切です。

内部監査を実施するメンバーは、社内規定等(監査基準)を事前によく理解しておくことが必要です。被監査部門の実務で彼らが守るべき規定(基準)を監査する側が知らずして、正しい評価ができるはずがありません。

また、一般的には、限られた時間内に効率よく監査をするためには、チェックシートなどが必要です。
もし、これらの条件を満たさない形で監査が実施されていれば、適正な監査が行われたとは、言い難いのではないでしょうか?

2.指摘内容の確認
次に、件数が少ないとはいえ、その指摘内容を確認します。以前のメルマガにも書きましたが、内部監査では指摘件数を多く上げればいいというものではなく、例えば類似の指摘があるとすれば、それを束ねるなどして、改善にもつながりやすくすることが大切だと言いました。ここでも同じで、指摘の内容、質を見てほしいのです。

QMSの目的を理解して、その改善に向けての指摘をしている場合は、件数が少なくても、価値のある指摘と思われます。例えば、指摘のし易い支援プロセス(記録の管理等)に関する指摘ばかりでなく、製品の品質、納期に直結する運用プロセス(製造工程の検証、変更管理など)に関する指摘などがなされていれば、為になる内部監査と言えるでしょう。

3.改善内容の確認
ここでは、監査側でなく、被監査部門の取り組み状況を改善内容で評価します。被監査部門が検討し、実行した対策(改善内容)を見てみます。

単純に原因が「処置を忘れていたので処置をしました」、対策が「今後、忘れないように教育しました」では、真にQMSなどの根本的な改善には繋がりません。指摘の背後要因も分析して真の原因を究明し、QMSなどの見直しを検討する必要があります。

内部監査の目的は、指摘することにあるのではなく、改善することにあります。従って、監査側も被監査部門と協議して改善の方向付けを行い、それを実行していくことが望ましいのです。
たとえ指摘件数が1,2件であっても、その指摘に基づいて行われた改善がQMSの見直しと向上につながっており、延いては企業の品質・納期の改善ができれば、内部監査が効果的に機能しているといえるでしょう。

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一度自社の内部監査の指摘件数とか何年かに亘る指摘の傾向などを、分析・評価されるのもいいのではないでしょうか?

文責 山本晴久