KPIは、Key Performance Indicatorの略で重要業績評価指標のことをいい、プロセスの評価を定量的に実施する際の指標であることは、前回のメルマガでも説明いたしました。
今シリーズは内部監査がテーマであり、KPIの設定は直接的には関係ないですが、前回の有効性の評価との関連で、少し解説させていただきます。

一般の企業では、プロセスマッピングを行い、プロセスをいくつかに分けて各々の有効性のレベル評価をKPIで管理されていると思います。

ここでKPIに関するポイントは、選定の考え方と目標値の設定の2つがあると考えています。

先ず、KPIの選定の考え方ですが、そのプロセスの有効性を評価できる重要な指標であることは当然ですが、更にその指標が目標を達成しない場合に、打つべき対策に繋がりやすい指標とすることが望ましく、例えば、部品滞留日数とするよりは、保留品滞留日数、廃却品滞留日数として原因別にKPIの評価基準を決めるというようなやり方です。

主要なプロセス毎の一般的なKPIの選定の事例を下表に示しておきます。参考としていただければ幸いです。

次に、KPIの目標値の設定ですが、一つの問題があります。即ち、KPIが低い目標なら簡単に達成でき諸活動の有効性があるように見えること、逆に目標が高いと達成できないことが多くなり、諸活動の有効性がないように見えてしまう問題です。従って、KPIの目標値の設定レベルを適正に決めることが非常に重要なことになります。

では、どのようにして決めればいいでしょうか?一般的には、過去のデータら決める方式(分析アプローチといいます)とあるべき姿から決める方式(デザインアプローチといいます)の2つがあると考えます。

先ず分析アプローチですが、例えば、過去5年間のKPIの実績データを調査し、もし特異年があればその年のデータを除き、平均値を出します。更に5年間の傾向を確認します。

比較的年度間の値にばらつきがなければ、平均値の例えば70~80%などを目標とします。また、近年増加傾向とか減少傾向が見られれば、直前の年度のデータと過去数年のデータトレンドを睨みながら、努力して達成できる範囲で高い目標値を設定するなどの方法がいいでしょう。

そして、その指標の過去の実績データがない場合には、活動開始後3か月程度データ取りして、この値から目標値を決めるなどするのがいいでしょう。
この目標値を達成するには、いわゆる日常管理が大切になります。

次に、デザインアプローチでは、クレーム件数などは、理想的にはゼロがよく、前年が高くても一気に減らしたいということは、当然あると思います。従ってゼロは無理でも、作り込み品質の向上活動、的確な検査による検査見逃しの改善などにより、本来ここまでクレームを削減したいという考えから目標値を決めます。当然、目標値が高いわけですから、事前の改善活動をしっかり行うことが必要になります。

この目標を達成するには、いわゆる方針管理が必要で経営者の明確な目標の設定と各部門への方針展開が必要になります。

以上がKPIの選定と目標値の決め方のポイントと考えています。
ある経営者が、「有効性の評価レベルが低く、KPIの目標が達成できていない。プロセスの改善活動が不十分ではないか?」といつも繰返し担当者をフォローすると、目標値達成の努力でなく、KPI下げてしまったでは、本末転倒です。このようにKPI一つとっても大変奥深いものがあると感じています。

文責 山本晴久