今回は、内部監査を行う上での勘所を、JIS Q 19011:2019「マネジメントシステム監査のための指針」を参考にして、以下の6つに分けて説明したいと思います。

①内部監査事務局の設置と任務:
・内部監査の統括は、企業の規模などに応じて異なりますが、一般的には管理責任者または、事務局が行います。
 ここで、事務局は組織全体の状況を掌握している品質保証部門が担当する場合が多いようです。
・管理責任者/事務局は、内部監査の統括と共に、内部監査の結果、改善などを纏めてマネジメントレビューで経営者に報告し、
 品質マネジメントシステムを維持/向上すること、また、顧客の監査及び認証機関の審査の窓口としての調整も重要な仕事の一つです。

②監査員の育成と選定:
・監査員は、内部監査の実施方法などを外部機関のセミナーなどを通じて習得する必要があります。内部監査の場合は、
 監査員の力量(*)として「知識と技能を適用する能力」(審査する知識と能力/スキル)だけではなく「個人の行動」(個人:監査員、
 行動:資質、あるべき姿くらいの意味です)も重要なポイントとなります。
・メンバー選定は、上記の力量を有し、監査の対象業務の知識のあるメンバーを選定します。また、ベテランと新人を組合せるなどして
 監査チームとしての力量のバラツキを少なくすることも大切です。
 (*)JISQ19011「マネジメントシステム監査のための指針」の7項 監査員の力量及び評価の項に記載されています。

③監査計画の立て方(頻度とテーマ):
・内部監査の実施頻度に対する要求事項はありませんが、一般的には、1,2回/年の頻度で内部監査が実施されます。
・内部監査では、過去の重要な品質問題、内部監査、顧客の監査などで指摘の多い重要なプロセス、部署を重点的に監査し、
 必要な場合、更なる改善につなげることが大切です。

④チェックシートの作り方:
・チェックシートは、内部監査を効率的に実施するためには不可欠です。事前に監査基準及び被監査部門(プロセス、部署)の問題点
 などを理解し作成する必要があります。
・内部監査実施前に被監査部門に配布して、自主的に準備・改善してもらい、内部監査では、その結果を確認するやり方も、効果的な
 実施方法です。改善することが目的だからです。

⑤監査時の留意事項:
・被監査部門は、自部門の活動を監査されるということで身構えるケースもあるかもしれませんが、監査員は、実態を知るために説明に
 耳を傾け、聞き上手になることも必要です。
・一方、説明を鵜呑みにすることなく、エビデンスでそれを確認することも大切です。
・指摘事項が多くある場合には、類似の指摘事項を纏めるとか重要な指摘に絞るなど、指摘の質を上げることで件数を抑えることも
 一つの考え方です。

⑥指摘表の作成と回答:
・指摘表は、決められたフォームに、不適合事象を出来るだけわかりやすく記入します。
 その際には、不適合と判断した根拠、処置期限なども記入する必要があります。
・指摘表を受け取った部門は、指摘内容を理解するとともに、指摘の原因を良く分析して、要すれば暫定と恒久に分けて対策を検討し、
 処置期限内に回答することが大切です。

以上、内部監査実施における勘所を説明しましたが、各企業様で人員規模、品質マネジメントシステムの構築レベル、成熟度など異なると考えられますので、各企業様にふさわしい内部監査を実施していかれることを願っております。

文責 山本晴久