特殊工程管理について 第8回 ~特殊工程とNadcap~
特殊工程管理について 第8回 ~特殊工程とNadcap~
前回は、Nadcap認証の枠組みを紹介しました。今回は、Nadcap関連情報などQ&A形式で簡単に紹介します。
1.どういうときにNadcapの認証取得をしなければならないか?
基本的には、顧客の要求があった場合に認証取得をすることになります。この要求は、航空機とか航空エンジンのメーカ(OEM: Nadcapでは、サブスクライバーと言っています)が、先ずNadcap認証を取得するようにTier-1メーカ(国内の重工メーカなどが該当)に要求します。それを受けて、特殊工程などを行うサプライヤー(Tier-2メーカなど)にも、Tier-1メーカから要求される形になります。
2.1項の要求がない場合でもNadcap認証は取れるか?
サブスクライバーからの契約がなくても取得は可能です。その場合には、業界標準規格(AS、AMS、MIL etc)などを適用し、ダミーパーツで受審することになります。第1回は、これで受けられても、第2回、第3回になると実際の契約がないと審査が受けられなくなる可能性もあり(ジョブ審査対象品の選択が困難なため)、本来は、契約があることが基本です。
3.認証を取るのにどの位の期間がかかりますか?
Nadcap認証取得までに要した期間の一般的なデータが下記の通りです。
初回受審年度:1~1年半程度(50%)
1年半以上 (30%)
1年以内 (20%)
4.認証取得の費用は?
受審する特殊工程に応じて異なるが、平均では3日程度を要します。受審費用の基本料金は、審査に必要な日数と審査員の人数に応じて設定されています。右表はその目安(USドルベース)で参考にしてください。
5.認証取得した企業数は?
日本国内のNadcapの認証取得件数は、各プロセス(コモディティ)毎で下記のように
なっています。
非破壊検査が最も多く79社で、以下熱処理55社、化学処理51社でこの3プロセス
で全体の約55%を占めていることが分かります。
(追加)
2015年3月 中小企業庁から発行の「航空機産業への参入のためのガイド中小企業の航空機産業への参入のためのガイド~国際認証(Nadcap)制度の取得に向けて~)制度の取得に向けて~」は、Nadcapに関する情報が掲載されています。今回のデータも一部で引用させていただきました。
文責 山本 晴久
「続き(第9回)を読む」
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