永守イズムを3つ紹介します!

森永イズム

今回のシリーズの1回目は3Q6S 、2回目が日本電産の3大精神について書きました。最後に、永守イズムといわれるものを取り上げます。永守現会長が社長の時に社員全員に配られたご自身がお書きになった「挑戦への道」という本から、3つのことばを紹介します。
(青字は、本からの引用です)

先ず、1つ目は「一人の天才より凡人の絆」です。
・・・いくらハイテク機器が普及したといっても、たった一人の天才が手品のように一瞬のうちに製品を生み出すことは出来ません。何人もの担当者がチームを組んで、実験と試作を繰り返し、夜を徹して頑張ったあかつきに製品は完成するものです。・・・というものです。

それぞれの職場を例に考えると、チームの力は一人ひとりの力の足し算であり、お互いに弱点をカバーし合える組織であれば、弱点のない、いい仕事が出来る集団になるものです。チームの中で一人が抜きん出ていて、他がしらけているようでは、いい仕事が出来るはずはありません。皆が成長していく必要があります。「一人の百歩より百人の一歩」とも言われています。

2つ目は、「やめない、逃げない、ごまかさない」です。
・・・人間の能力にはそれほどの差がないはずである。それが1年、3年、5年と時の経過とともに大きな差となって表れるものである。仕事に慣れてくると難しい仕事が与えられ、知らず知らずのうちに逃げの気持ちが生まれる。今日すべきことを明日に延ばさない。この小さな差が後に大きな差になる。・・・というものです。

永守社長は、逃げない人間をいつも求めておられました。最初は順調に仕事を始めても、仕事のレベルが高くなり、難しくなると、自分の仕事でないと言い訳して逃げたくなるものです。

私も過去に何度もこのようなことを感じたことがあります。しかし、むしろ逃げ場がなくなると、そして自分しかやる人間はいないと言う崖っぷちに追い込まれると、むしろ開き直り、逃げずにできることもあるものです。

3つ目は、「明日はもっと」です。
・・・私(永守社長ご自身のこと)は、いつもこう思っている。今日はいちばんよい日だった。しかし、明日はもっといい日になるだろう。今年はよい年であった。しかし、来年は更にいい年になるであろう。今日だけがよければよいという考え方で過ごす人生に果たして生きがいと言うものはあるだろうか。未来に対して自己の持つ知力と体力を結合し、志に向かっての一途な魂の燃焼こそ、本当に生きがいのある人生ではないだろうか。・・・というものです。

一言でいえば夢を持とうということでしょう。そして、よく永守社長がいわれた言葉に「男は法螺を吹け」というのがあります。法螺をいつかは実現できる夢に変え、そしてその夢をいつも追いかけていれば、いつの日にか、必ずその夢、かつて法螺と言われたとてつもない大きな夢が実現できるものだということです。

以上、3つの永守イズムを見てきましたが、これらの言葉は、決して特別なものではなく、よく言われることと大差ないものと思います。大切なことは、これらを座右の銘のようにいつも、復唱され実行されてきたということではないでしょうか?

永守社長の訓辞を聞くときはいつもその迫力に圧倒されました。自分がやってこられたことに絶対の自信をお持ちであり、それがあの勢いある訓示につながったものと思います。
今でも心に残っているものを、私の解釈も含めて紹介させていただきました。

次回からは、また品質保証の話に戻します。

文責 山本 晴久

「次回特殊工程管理を読む」

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