運用リスク管理について 第3回 ~運用リスクの重み付け~

運用リスク管理について3

前回は、運用リスクの洗い出し方法を解説致しました。サンプル事例で読者の皆様にもリスクの洗い出しをやってみてもらえませんかということでお願いしましたが、筆者も作成してみました。

運用リスク洗い出し表(演習用).PDF
運用リスク洗い出し表(山本作成分).PDF

この運用リスク洗い出し表で検討結果欄に「×」をつけたものが、運用リスクがあると評価したものです。
その上で、次の<ステップ3>に進みます。

<ステップ3> 運用リスクの重み付け
先ず、運用リスクと判断したものを、リスクアセスメント表(表-2)のリスク事項に書き込みます。区分2.Materialの①と②は、一つに束ね、合計で4つあります。

そして、過去の経験も生かしながら、運用リスクがどのくらいの大きさかを一般的には下記の2つ観点から数値化します。
ランクは、ここでは3段階としていますが、5段階、10段階でもいいです。

(観点1) その運用リスクは、頻度高く発生するか?(発生頻度 高:5点 中:3点 低:1点)
(観点2) 品質及びスケジュールなどへの影響度は?(致命度 高:5点 中:3点 低:1点)

この基準で評価したものが下記のリスク評価表(表-2)です。

例として①のリスクと④のリスクを(観点1:発生頻度)と(観点2:品質及びスケジュールなどへの影響度)から評価してみましょう。

リスク①「工具寿命が長いというが、確認要す」に関しては、

RPNは、Risk Priority Numberの略でリスク優先度と言っています。

リスク④「大きな部品なのでキャパ上の検証と精度が良いか確認必要、薄肉の部分もあり変形も心配」に関しては、

よってトータルでは、RPNは、3×5=15点となります。

機械加工の専門家でないのでリスクの評価は、あくまで例として書いています。技術的には正しさを欠いているかもしれませんが、ご容赦下さい。

そこでリスクの軽減処置を検討することになりますが、次回に説明します。

文責 山本 晴久

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