FAIとFAVについて 第4回

FAIとFAVについて4

FAIとFAVについて 第4回

 前回は、初回製品を加工する前に行うFAV-1の実施事項を説明しました。今回は、初回製品の加工完了後、部品の検査も終了して、FAIR(初回製品の検査記録)の作成が完了した時点で行うFAV-2の実施事項を説明します。
 実施時期をフロー図で表すと下図の通りです。

の実施事項は下記の通りです。

 製造の観点からは、
  ①加工条件に問題なかったか?
  ②工具寿命など問題なかったか?
  ③加工治具は良かったか?
  ④設備は問題なかったか? など

 検査の観点から
  ①検査が出来たか?
  ②疵など問題ないか?
  ③判定に困ることはなかったか?
  ④マ-キングは良かったか? など

 また、FAV-2のメンバーもFAV-1のメンバーと同じで、次のような人たちから選びます。
 ・生産技術担当者:工程設計、手順書作成、NCテープ作成、治工具設計/製作する人
 ・品証担当者:検査手順書作成する人
 ・監督者:現場製造監督者、検査監督者

 FAV-1で道具立てが揃っていることの確認をした後に実際に初回製品の加工を行い、完了後に準備した道具立てで問題なく生産ができたかどうかを確認するのが、このFAV-2です。製造工程が量産に耐えうるかを関係者できっちと評価しようというものです。

 実は、筆者の“ロケットエンジン開発の時の体験”ですが、FAVを何度も行いました。FAVで設計者の意図が製品に反映できているかを徹底してみてもらうこと、ロー付け、溶接などの特殊工程が量産にも耐えうる安定した工程になっているかの確認、検査の手法が技術要求への適合性評価に耐えうるものであるかの確認など、このFAVで徹底的に検証したことが懐かしく思い出されます。

 今回でFAIとFAVについての解説を終わります。

文責 山本

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