前回までは、FAIについて説明しましたが、このシリーズの最初に解説しましたようにFAIは、製造工程の妥当性を評価するのが目的であり、単に初回製品を検査して、要求に適合していればよいという単純なものではありません。
では、どうすればいいのでしょうか?

ある大手のエンジンメーカでは、FAVという考え方で運用されています。あえてFAVと言っているのは、FAIでは、用語的に誤解を招くからということかもしれません。

ここで、FAVのVはVerificationで、その意味は、「詳細な検査や客観的証拠の提供によって、規定要求が満たされていることを確認すること」であり、従ってFAVは、「初品(First Article)で検査(製品品質)と客観的証拠(作り方が量産に耐えうることの証明できるもの)により、量産品質が先々に亘って保証できることを確認すること」となります。

それでは、FAVのやり方を簡単に説明します。先ずはFAV-1を説明します。
実施時期をフロー図で表すと下図の通りです。

ここででは、初回製品を加工する前に準備状況を確認します。FAV-1の確認項目の一例を下記に示します。

①手順書(加工/検査とも)は完成しているか?
②治具/プログラム(加工/検査)は完成しているか?
③工具は正規のものか?
④素材の準備は良いか?
⑤設備は良いか?
⑥トレーサビリティは良いか? など

また、FAV-1のメンバーは、次のような人たちから選びます。

・生産技術担当者:工程設計、手順書作成、NCテープ作成、治工具設計/製作する人
・品証担当者:検査手順書作成する人
・監督者:現場製造監督者、検査監督者

FAV-1は、トラベラーに識別するなどして、抜けなく実施します。関係者が一堂に会して準備ができていることを確認することは、その後の品質の安定のためには非常に大切なことです。そして、FAV-1が合格して初めて、初回製品の加工に着手することになります。

次回は、について解説いたします。

 

 

文責 山本