納入後のクレーム 第3回
納入後のクレーム 第3回
前回のコラムでお約束したのは、次の3つ分けて掲載することでした。
1.クレーム情報を受けた時の基本動作
2.原因究明と対策の立て方
3.お客様への対応と報告
今回は、最後の「お客様への対応と報告」です。
筆者は、次の3つをポイントにしています。
(1)対応はスピードを持って誠実に
・まず第一に、お客様にご迷惑をおかけしていること忘れずに!
・社内検討メンバにも優先順位を上げさせる。もちろん早ければいいということではありません。やるべきことはきちっとやります。
(2)途中段階の報告の大切
・問題の大きさにもよるが、検討に時間がかかる場合など途中の段階で検討状況の報告を行います。今後の調査スケジュールを示し最終報告の期限を決めます。
・可能性のあるすべての原因を取り上げ評価するFTA(故障の木解析といいます)を使い、原因究明の現状と今後の詰め方をこれで説明すると「クレーム対策を体系的に進めているな」というお客様の評価にもつながります。
(3)報告書のスタンダードタイプは?
・一般的には報告書には、下記を盛り込むのがよいでしょう。
①クレーム内容 ②製造に関する調査での判明事項
②緊急流出対策(囲い込み) ④クレーム品の調査結果
⑤発生原因(発生系/流出系) ⑥是正対策(発生系/流出系に分けて暫定/恒久)
⑦水平展開 ⑧再発防止策 ⑨効果の確認
・実は、8D分析(8Decipline Problem SolvingでDisciplineは「しつけ」、「規律」の意味)というのがあります。海外エンジンメーカで使われているものです。筆者もかつてこの分析を何度かやって報告した経験があります。国が違ってもクレーム発生時の対応には、変りがないということなのでしょう。
8D分析について興味のある方は
https://en.wikipedia.org/wiki/Eight_disciplines_problem_solvingを参照ください。
(英語版で申し訳ないです)
文責 山本 晴久
「次回【ヒューマンエラーについての考察】を読む」
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