JISQ9100(2016年版)の要求の中には、ヒューマンエラーの防止処置に言及されたところが2か所あります。

一つは、8.5箇条の「製造及びサービスの提供」の中で管理された状態で製造/サービスを提供するときに
「(g)ヒューマンエラーを防止するための処置を実施する」と要求されており、

もう一つは、10.2箇条の「不適合及び是正処置」の中で不適合が生じた場合に組織は、
「(b)(2)該当する場合には、必ず、人的要因(human factors)に関する原因を含む、その不適合の原因を明確にする。」とあります。

JISQ9100(2009年版)には、ヒューマンエラー/ヒューマンファクターの用語が直接には出てこなかったことから、
人的ミスに関する不適合が起きたときの対応に関する要求が明確になったということが言えるのかもしれません。

昨年、機会があり航空機の部品加工メーカさんを訪問する機会があり、各企業様での品質保証でのお困りになっている事項をヒアリングさせていただいた際に、半分以上の企業様でヒューマンエラーの対策が難しいとのお話を伺いました。

中には、ヒューマンエラーを起こした本人に反省文を書かせるという企業様もあり、人的ミスなのでその本人が注意すれば再発しないという誤ったお考えがまだ少し残っている場面にも出会いました。読者の方々もご承知の通り、ヒューマンエラーは背後要因を深く探求し、人の要素以外のところでも、体系的に対策を検討することが大切とされています。

今回から数回にわたり、このヒューマンエラーについて筆者の経験も踏まえて、解説をしてみたいと思います。

概ね、下記の項目で話を進めます。以下ヒューマンエラーをH/Eと表示します。

1.H/Eの概要
  人間特性とH/Eの関連など

2.H/Eで知っておきたいこと
  組織の責任、ダブルチェックでは防げない、どんな時にH/Eが起こるなど

3.H/Eの対策とは?
  mSHEL、PSFなど

4.その他

文責 山本