前回は、Gage R&Rの話をしましたが、最近よく三次元測定機の測定でIndependent Inspectionという言葉を耳にしませんか? 
今回は、これを取り上げます。

Independentとは独立したという意味ですが、一人の検査員が自らの測定手順で、ある三次元測定機で検査した測定データと、もう一人の別の(独立した)検査員が、その人の測定手順で、別の三次元測定機で測定した結果と比較/評価(コリレーション:Correlation)することをいいます。

具体的には、各測定項目の測定値の差を求め、この差が図面要求の寸法公差幅の何%に相当するかを見るものです。一般的には、重要な寸法特性では、10%の差以内がいいとされ、重要でないときは、20%まで許されるなど規定されています。この%値は,規格(客先の要求)により異なります。

このIndependent Inspectionの必要な理由は、おおむね下記の通りです。即ち、三次元測定機を用いた部品の測定精度は、航空機部品では薄肉部品が多く、測定時の拘束状態で測定データが変わること、また、基準面の取り方でもデータ全体に影響し、更に例えば穴の測定でも3点で円の中心を出すか10点で円の中心を出すかで測定データに影響します。

いわば測定結果が測定手順(プロセス)で決まり、目では見えないため、品質評価が難しい特殊工程(熱処理、溶接など)に似たところがあります。数年前から、三次元測定機でもNadcap認証が取れるようになったのもこのことに関係がありそうです。

実は、IATF16949の自動車関連の品質保証要求には、このIndependent Inspectionの要求は明確には見受けられませんが、米国規格のAS13003 「航空エンジンサプライヤに対する計測システム解析の要求」には、このIndependent Inspection(Correlation) の要求があり、三次元測定機の位置づけが今後ますます大きくなると考えられるため、MSAの最終回に取り上げさせていただきました。

以上、9回に亘り、IATF16949の要求を主体に解説しました。ご理解いただけたでしょうか? 航空機の品質マネジメント要求にも早晩、この要求が具体的に盛り込まれるときが来ると思われます。
ご興味のある方は、是非IATF16949を研究してみて下さい。

文責 山本