ヒューマンエラーについての考察 第3回
ヒューマンエラーについての考察 第3回
前回は、人間はミスを起こすもの、認識、判断、行動の3つでミス(ヒューマンエラー)を起こすと解説しました。
今回は少し体験をしていただこうと思います。先ず、下の図を見てください。ここで問題です。
《トライしてみてください》下の図で、左のピラミッドを構成する数字と右のピラミッドを構成する数字を見比べて、
同じときは右手を「チョキ」の形にしてあげてください。
異なるときは左手を「グー」の形にしてあげて下さい。
これを5秒以内で実施してください。昼食を取って少し眠気が来たあなた、時間厳守でお願いします。
はい、スタート1秒、2秒、3秒、4秒、5秒 やめてください。
如何ですか?左手を「グー」の形で上げられましたでしょうか?
時間がないので出来なかった方もおられたかもしれません。これは時間を掛ければ、ほぼ100%正解になると思われますが、
5秒という短時間が間違いを起こす誘因になっています。
また、情報がもう少し明確になっていたら、例えば「文字の違いがあるとすれば、下の方です」ということでも分かっていたら、やはり短時間に判断できるでしょう。情報がヒューマンエラーを防止につながるということです。
中には、文字の大きさが小さく、薄い字で見にくいということもあったかもしれません。これらは、すべて認識のミスを起こしたになります。
一方、1文字違うと判ってはいたが、左手で「チョキ」にして手を上げた人、右手を「グー」にしてあげた人もおられたかもしれません。これは、行動のミスということになります。
もし、下記のように左右異なる文字には色が変えてあるというのであれば、誰でも即座に正解に至ります。
このくらいの大きさでしかも文字が違っているところを赤色にすると一瞬で見て判断できますよね。
このようなことは現場でも往々にして起こっているのでないでしょうか?作業を急がされた、指示が曖昧で分かりにくい、あるいは複雑であった、疲れて集中できなかったなど
原因はいっぱいありそうです。次回は、H/Eで知っておきたいことについて説明します。
文責 山本 晴久
「続き(第4回)を読む」
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