マネジメントシステム監査成功の秘訣(第2回目)
今回は、前回に引き続き、Susan Gorveatte女史が米国 Quality誌に寄稿した内部監査についての記事を紹介します。
それでは、今回も米国の内部監査エキスパートが紹介する、内部監査(マネジメントシステム監査)成功の秘訣を皆さんと共有しましょう。
マネジメントシステム監査成功の秘訣(2回目)
4.監査員は考えない、監査員は感じない、監査員は比較する
監査員の役割は、自らの意見を述べることではありません。監査員は「比較する人」です。目の前で実際に起きている事実と、組織が満たすべき要求事項や基準を照らし合わせ、その差異を客観的に評価します。そこに必要なのは「私はこう思う」という主観ではなく、「証拠が何を示しているか」という客観性です。監査の価値は、この公平な比較によって生まれます。そして監査員は不適合だけを見るのではなく、優れた実践や現場の強みも見つけ出し、それを組織に伝える役割も担っています。
5.良い監査は素晴らしい導入から始まる
また、優れた監査は優れたコミュニケーションから始まります。監査は決して尋問ではありません。監査対象者を追い詰めるのではなく、対話を通じて真実を共有する場です。良い第一印象を築き、相手が話しやすい質問を投げかけ、注意深く耳を傾けます。そのような姿勢が信頼関係を生み、より正確な情報収集につながります。監査員が相手を尊重すれば、相手もまた率直に事実を語ろうとします。
6.意思疎通は言葉だけではない
さらに、人と人との対話では、言葉だけが重要なのではありません。姿勢や表情、アイコンタクト、相づち、声のトーンといった非言語コミュニケーションも大きな意味を持ちます。前向きで誠実な態度は安心感を生み、監査の場を建設的なものへと変えていきます。どれほど優れた質問を準備していても、高圧的な態度では本当の対話は成立しません。監査員の振る舞いそのものが、監査品質の一部です。
7.あなたが監査を受けたい監査員になれれば、監査は成功する
結局のところ、成功する監査の秘訣は、難しい技術や特別な手法にあるわけではありません。「自分自身が監査を受けたいと思えるような監査員になること」。この言葉に、その本質が凝縮されています。原則を守り、証拠に基づいて判断し、人として誠実に相手と向き合います。そのような監査員が行う監査は、単なる適合性確認を超え、組織に学びと成長の機会をもたらします。そして監査は、問題を探す活動ではなく、組織の価値を高めるための旅へと変わります。
いかがだったでしょうか?
皆さんの内部監査員教育内容で、既にカバーされているポイントも多かったと思いますが、いくつかの観点は、新しい気付きとして活用していただけるのではないかと期待しています。また米国人らしい、ストレートな表現もなかなか魅力的です。(項目はほぼ直訳です)
当方は、担当している内部監査教育の内容と比較して、語り口の表現はともかく、方向性については、共通点が多いと認識しています。少しでも皆様の内部監査活動の向上に役立てば、幸いです。
以上
文責:小林淳一郎
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