マネジメントシステム監査成功の秘訣(第1回目)
今回は、米国 Quality誌に寄稿された、内部監査についての記事を紹介します。この記事はSusan Gorveatte女史が起草したもので、2025/3/25付のQuality誌で発表されています。
Gorveatte女史は、25年以上の北米全域で内部監査員及び、リード監査員の訓練の経験あり、米国品質協会 (ASQ) のアクティブメンバーで、品質マネジメント部門、監査部門、及びASQ 世界品質及び改善会議の技術プログラム委員会の議長の役職を務めています。
それでは、米国の内部監査エキスパートが紹介する、内部監査(マネジメントシステム監査)成功の秘訣を皆さんと共有しましょう。ボリュームがあるので、2回に分けて紹介します。
マネジメントシステム監査成功の秘訣(1回目)
「監査」という言葉を聞くと、多くの人は厳しいチェックや不適合の指摘を思い浮かべるかもしれません。しかし、本来のマネジメントシステム監査は、そのような一方的な評価の場ではありません。監査とは、組織の現状を正しく理解し、より良い未来へと導くための旅であり、監査員はその旅を支える案内人のような存在です。
1.そのための規格があること
良い監査を実現するためには、まず確かな規格が必要となります。ISO 19011が示す監査の原則は、その土台となるものです。誠実であること、公正に報告すること、専門家として慎重に判断すること、守秘義務を守ること、独立した立場を維持すること。そして何より、証拠とリスクに基づいて判断することです。
こうした原則があるからこそ、監査は個人の感覚や思い込みに左右されることなく、信頼できる活動として機能します。
2.監査員は3つのパワーを持っている
監査員には、現場の真実を見つけ出すための三つの大切な力があります。それは「インタビュー」「観察」「記録・文書レビュー」です。人々との対話を通じて情報を得ること、実際の作業や行動を観察すること、そして記録を確認して事実を裏付けること。この三つを組み合わせることで、監査員は現場の実態を多面的に理解できます。
どれか一つに偏るのではなく、バランスよく活用することが質の高い監査につながります。特に遠隔監査では観察の機会が限られるため、対話や記録の確認をより丁寧に行うことが求められます。
3.監査トレーニングは、あなたを訓練された監査員にすることができるが、監査を成功に導く監査員にすることは、あなた自身しかできない
優れた監査員を育てるのは、知識や資格だけではありません。監査の現場では、人としての資質が大きな力を発揮します。高い倫理観を持ち、広い視野で物事を捉え、相手を尊重しながら対話できること。細かな変化に気付く観察力や、事実から適切な結論を導く判断力も欠かせません。
また、ときには根気強く真実を探り続ける粘り強さや、多様な価値観を受け入れる柔軟性も必要になります。監査は人と人との関わりの中で行われる活動であり、共感力や誠実さが監査の成果を大きく左右します。
今回はここまでです。皆さんの社内部監査の考え方と比較してみてください。それでは、次回にまたお会いしましょう。
以上
文責:小林淳一郎
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