ジャストカルチャーとオープンレポーティング #1

これより4回にわたり、AS13100要求事項の中に登場する『ジャストカルチャーとオープンレポーティング』をテーマにコラムを書きます。

AS13100は『AEROSPACE STANDARD AS13100:航空エンジン設計および製造組織に対するAESQ品質マネジメントシステム要求事項』ですが、その中でヒューマンファクター、人的要因に対する要求事項があり、『ジャストカルチャーとオープンレポーティング』はそこで登場するあまり馴染みのないと思われるキーワードです。

規格要求では
『AEROSPACE STANDARD AS13100:航空エンジン設計および製造組織に対するAESQ品質マネジメントシステム要求事項』 より
AESQ:Aerospace Engine Supplier Quality

□ 従業員のトレーニング。
□ 懲罰を恐れずにミスを共有することを奨励するオープン レポーティング(開かれた報告)文化。
□ 調査においてヒューマンファクターを考慮する。
□ パフォーマンスの報告と改善プランの特定において、ヒューマンファクターを考慮する。

『RM13010:人的要因 SAE AS13100規格を支援するAESQ参照マニュアル』 より
SAE:Society of Automotive Engineers

6.2. 人的要因に関する方針の策定及び展開
会社は、AS13100の人的要因の要求事項を満たすためのコミットメント及びその意図を概説すべきであり、それは5つの要素に要約される。

  1. どのような振る舞いが組織として許容でき、どのような振る舞いが許容できないかを会社が明確にすることで、ジャストカルチャー(公正な文化)を実現する。
  2. 人的要因の認識を高め、社員にオープンな議論をさせ、このテーマを活発なものにする(例:ダーティダズンに関する事例を用いた話合いなど)。
  3. 危険、間違い、リスクを把握するためのオープン レポーティング(開かれた報告)の導入。
  4. ヒューマンエラーに至った根本的な原因を探り、適切な処置を施すために、調査の中で人的要因について検討する。
  5. 人的要因が結果に影響を及ぼすリスクを低減することにより、継続的な改善

とあります。

次回から、書籍の原題がまさに「ジャスト カルチャー」である
『 ヒューマンエラーは裁けるか 安全で公正な文化を築くにはJUST CULTURE:Balancing Safety and Accountability  シドニー・デッカー 』

を拾い読みながら、その意味するところを考えていきたいと思います。

文責  原田 直弥

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