JIS Q 9100の分かり易い解説について(第2回-2)
前回は、JIS Q 9100:2016の箇条 8.1.2形態管理について、製品のライフサイクルを通じた製品の形態の設計変更管理(特に互換性を考慮)について記載しました。
今回は、加工外注企業様に焦点を当てた具体的な形態管理方法について、JIS Q 9100:2009の要求事項を参考にして説明いたします。
a) 形態管理の計画
次に示すb)~e)の要求事項を推進するための計画文書です。
b) 形態の識別
前回掲載した通り、設計・開発を実施している企業様における図面番号、部品番号、改訂符号等の管理です。(加工外注企業様は、適用外)
c) 変更管理
先ずは初回の製品で要求された形態の製品を製造するのに必要なドキュメント(作業指示書、作業手順書、検査手順書等)等を作成し、これに基づき製造します。次に顧客から設計変更があった場合、ドキュメント等を必要に応じ変更し、これに基づき製造します。
d) 形態状況の報告
次の項e)で確認した製品の形態(改訂符号)を作業指示書に記録することです。なお、作業指示書で指示する形態と製品の形態が異なる場合は、顧客に特別採用申請を行い、顧客の技術判定に基づき処置する必要があります。
顧客の技術判定結果が、そのまま使用可または修理となった場合は、当該特栽申請のコピー等を添付して納入します。
e) 形態監査
最終検査で検査員が製品の形態が作業指示書に示される形態(改訂符号)の図面通りに、設計変更が反映されているかを検査することです。(検査し確認した改訂符号を上記のd)として記録します。)
今回は、形態管理として設計変更を如何に製品の製造に反映し、また製品へ適切に反映されていることを検査するかについてお話ししました。 次回は、“8.1.3 製品安全”について解説いたします。
文責 松田一二三
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