JIS Q 9100の分かり易い解説について(第2回-1)
JIS Q 9100の分かり易い解説について(第2回-1)
規格の箇条8.1.1 運用リスクマネジメントの目的及び分かり易い事例等について2回に分けて掲載させていただきました。
皆様、運用リスクマネジメントの意図するポイントを理解していただけたでしょうか。
今回は、箇条 8.1.2形態管理(コンフィギュレーションマネジメント)について説明させていただきます。
先ず、規格としては次のように要求されています。
「組織は、製品ライフサイクルを通じて、物理的及び機能的属性の識別及び管理を確実にするため、組織並びに製品及びサービスに応じて適切に、形態管理のプロセスを計画し、実施し、管理しなければならない。このプロセスは、次の事項を実施しなければならない。 a)識別された変更の実施を含む、製品識別及び要求事項へのトレーサビリティを管理する。 b)文書化した情報(例えば、要求事項、設計、検証、妥当性確認及び合否判定に関わる文書類)が、 |
規格は、大変抽象的で何を意図しているのか分かりづらいかと思います。形態管理が対象としているのは、基本的には設計変更の管理です。製品がどのような形態で製造されているかを、製品ライフサイクルを通じて管理する必要があります。製品ライフサイクルとは、製品を製造して顧客に納入してから、その製品が用廃されるまでの期間です。
例えば、顧客が10年前に購入した試験装置のA部品が損傷したので、顧客が試験装置メーカにA部品の部品番号で交換部品を発注した。ところが、試験装置メーカの部品番号の管理において、互換性の無い設計変更を行っても、改訂符号のみを変更して、部品番号を変更しない仕組みになっていた。
この場合、3年前に互換性の無い寸法変更していたにも拘わらず、最新の改訂符号の部品番号の図面で、製造し、納入した場合、お客様で部品交換しようとしたが、取り付かないという問題が発生します。
このような図面番号、部品番号、改訂符号等の企業様における管理方法を形態の識別と呼んでおり、事例の場合、試験装置メーカの形態の識別管理が適切に機能していないことになります。
次回は、設計変更を如何に製品の製造に反映し、検証するかについて“8.1.2 形態管理”について解説いたします。
文責 松田一二三
「続き(8.1.2 形態管理2)を読む」
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