工程凍結と工程変更管理 第3回 ~工程変更管理の実例~
工程凍結と工程変更管理 第3回 ~工程変更管理の実例~
今回は、変更申請書のサンプルを示し具体的な検討事項など示します。顧客にこの変更通知書で申請するケースを想定したフォームになっています。
先ず、変更通知書のサンプルを確認してください。
変更通知書の記載事項と注意事項など下記に述べます。
- ①工程変更する機種、製品名(番号含む)などを記入する。
- ②変更する工程名称と実施時期を記入する。ここでは機械加工の工程を統合することを計画し、品質確認して問題ないので変更申請をすることにした。
- ③変更内容は、変更前と変更後を対比して示す。2台のNC機械で1工程ずつ加工していたものを1台の機械で、1工程で加工するように変更する。申請の際には、工作表などを添付し、個々の加工工程がわかるようにしておく。
- ④変更理由は、工程統合による加工工数の削減である。
- ⑤変更による影響は、試削りを実施し加工個所の寸法、表面性状などに問題はなかったことを確認している。その際、根拠になる検査データなどを添付するのがよい。変更によっては、変更箇所の問題はないが他の個所に問題が出ることもありうるので十分な検討が必要である。(例えばこの場合は、部品全体にひずみが出るなどということなどを想定しておくということ)
- ⑥この部品は、納入先(顧客)に変更申請する必要があり、申請を行った。結果は、部分FAI評価を条件に承認された。
- ⑦自社の判定も顧客の判定に合わせて行っている。
工程変更管理の一つの事例を示しましたが、これを運用していく組織が必要です。
一般的には、品質保証部門の担当者が取りまとめを行い、製造部門からは生産技術担当者、生産管理担当者など、また設計部門があれば設計担当者などが連携して工程変更管理を実施していく必要があります。サプライヤからの申請も行わせる場合には、外注管理部門の担当者も含めるのもいいでしょう。
各社でこの種の活動を既にやっておられるかと思いますが、実態はどのようになっているでしょうか? 筆者自身の経験では、この変更管理は、申請を出してもらって初めてスタートが切れるわけで、各人の認識と理解を深めていただくことに腐心した記憶があります。
次回は、最終回としてその辺りを話したいと思います。
文責 山本晴久
「続き(第4回)を読む」
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