前回は、SJAC9068B「品質マネジメントシステム-航空宇宙及び防衛分野の組織に対する要求事項-強固なQMS構築のためのJIS Q 9100補足事項」の解説を行いました。今回も続きを説明したいと思います。

箇条8.2.2:運用リスクでは、リスクの対象に検査と試験の能力を含む設備能力、必要な資源などが追加されました。(B改定)
(注)箇条7.1と同じく検査・試験の設備能力、資源(人を含む)の不足がコンプライアンス違反の温床になりうるという考えです。

箇条8.2.4:要求事項の変更では、顧客要求の満足できない又は部分的にしか満たされない可能性が生じた場合、顧客と交渉しなければならないとなっています。(B改定)
(注)要求が満足できないことが分かった段階で要求そのものを軽減できないかなどの申請をすることも必要です。デビエーションリクエストなどとも言われます。

箇条8.4:外部からの提供では、外部提供者にねつ造、改ざんの防止を要求する。外部提供者先での検査/監査時には成績書と生データの整合確認をする。疑わしいときは妥当性の確認をするなどなっています。(B改定)
(注)性悪説に立った考えで成績書だけでなくその基となった生データを確認するようになっています。

箇条8.5:製品サービス提供では、監視及び測定活動を省略することなく実施する。監視測定する部門は監視測定される部門機能から独立が望ましい。生データは、記録との整合性、妥当性確保できるように監視し、意図しない改変から保護する。また改ざんできない仕組みを取り入れることが望ましい。(B改定)
(注)監視される部門と監視する部門が別組織という細かい要求まであります。

監視測定活動の変更(検査の省略など)する場合、権限を持つ責任者の承認または該当する場合は顧客の承認を得ることが望ましい。(B改定)
(注)担当者が判断しないのが基本です。

箇条8.6:リリースでは、顧客要求事項への適合の証拠について、生データと記録との整合性が確保できていることが望ましい。(B改定)
(注)ここでも生データと記録の整合性を要求しています。

箇条8.7:不適合なアウトプットでは、不適合製品を意図的に適合品として顧客に引き渡す不正行為は、罰則の対象となる。不適合処置の特別採用は、1回とする。再度の利用は、一連の手続きをとる。(B改定)
(注)特別採用が一度認められた場合に同一不適合なら、その後発生しても申請しなくてもいいと思うのは間違いです。

箇条9.2:内部監査では、内部での不正行為が確認された場合、これを踏まえた監視項目を含める。外部の事案、不祥事を踏まえた監視項目を含める。生データおよび記録の改ざんがされてないことを監査項目に含めることが望ましい。(B改定)
(注)内部監査は、自浄作用を持たせることが最も大切です。

などとなっています。

このSJAC9068は、契約の相手方から適用を要求された場合にJISQ9100 規格を適用する企業が自社コンプライアンス体制を強化するときの基本的な要求事項となります。

B改定で要求がさらに厳しくなっていることがよくお分かりになったのではないでしょうか? これで4回に亘るSJACの主要な要求事項の解説を終わります。

次回からは、弊社の他のメンバーの執筆を含めながらメルマガを発信させていただきます。

文責 山本 晴久

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