石川馨博士(1915-1989年)は、日本の品質管理の父といわれ、QCサークル活動の生みの親で、日本における品質管理、特にTQC(Total Quality Control、全社的品質管理)の先駆的指導者の一人であります。
また、不適合発生時の原因の探求によく使われる特性要因図は、石川ダイアグラムとも言いますが、この手法を開発された方としても有名です。

「JISQ9100のルーツは」のシリーズの最後は、この石川博士の語録を5つ紹介したいと思います。(各語録の→以下は、甚だ僭越ながらこの語録への筆者の受け止めです)

<品質管理の必要性>
・製品やサービスを売っている限り、その品質管理は永久に行うべきものである。
→製品やサービスの向こうには、いつもお客様がおられる。そのお客様のことを考えると品質管理は永久に行うべきものと言うべきなのでしょう。その語感が厳しく、かつ強くて、もう一度、襟を正したい気がします。

<どの企業で品質管理をやるのか>
・全社的品質管理(CWQC)から集団的品質管理(GWQC)へ
→全社的品質管理(CWは、カンパニーワイド)は、よく言われますが、集団的品質管理(GWはグループワイド)とは、博士の造語かと思います。今、産業クラスターで一貫生産と言われますが、まさに産業クラスターに集う複数の企業全体で品質を保証していく必要があるのも、このGWQCが必要になってきているということなのでしょうか?

<TQCの基本原則>
・新しい品質管理とは経営の一つの思想革命である。
→QMSの構築は、経営者が率先して行うことが必要です。今でこそ思想革命とまで言う人は少ないかもしれませんが、当初、日本の”安かろう 悪かろう”の製品の評価を今日のJapanese Qualityの最高の品質を作り上げるまでには、経営者の思考の中で革命を起こさないといけなかったのかもしれません。

<TQCの全般的効果>
・TQCは特効薬ではない。漢方薬のようなものである。
→品質マネジメントシステムも第三者機関の認証を受けただけでは本物にはなりません。要求にもあるとおりプロセスアプローチを行い、その有効性を確認し、達成不十分の場合には改善をしていきます。また、これを継続的に続けていく必要があります。
特効薬は、仮に一気に効き目があっても飲まなければ直ぐに元に戻ります。一方、漢方薬は、体質改善をしながら健康体を維持しようとします。TQCも会社の体質改善とおっしゃりたいのでしょう。

・効果の上がらない品質管理は品質管理でない。MMK(儲かって儲かって困る)のQCを!
(MMKは、海軍用語で“もててもてて困る”がもとの意味のようです)
→QMSを構築することで、製品品質が良くなり、最大の営業ツールになったという企業がありましたが、品質は、利益を生むということで、品質がよくなければ、損失が出るという以前に企業の存続がないということでしょう。

以上、石川博士の語録を見てきました。 (語録は「人間石川馨と品質管理」から引用)
最後にひとこと、QMSはMMK (最も 真面目な 管理)で成果を上げてください。こじつけで済みません。このJISQ9100のシリーズも終わります。

文責 山本晴久