特殊工程管理について 第6回 ~特殊工程とNadcap~
特殊工程管理について 第6回 ~特殊工程とNadcap~
前回、AC7114/1の要求事項の前半に相当する書類審査の項目(第1項から第5項)を解説しました。今回は、後半に相当するジョブ・オーディットの項目(第6項 適合性)の内容を極々大雑把に見てみましょう。
そもそも、Nadcap審査では、書類審査の後、現場で実際の作業者/検査員の実作業を確認しながら適合した作業かどうかを、必要な場合には、作業者/検査員本人に質問しながらチェックしていきます。
さて、チェック項目ですが、おおむね下記の内容となっています。
6.適合性
ここには、対象部品の選定方法などが規定されています。
以下、選定方法の要求事項です。
「被監査組織は、Nadcap要求事項への適合性を判断するため現行の製品から代表的な検査を実施すること。複数の浸透探傷ラインが使用されている場合は、これらの部品は、様々なNadcap参加顧客の要求及びいくつかの異なるタイプの処理装置を代表するように選ぶこと。
万一、製品が利用できない場合は、顧客に監査のために部品を入手しようとしたエビデンスを監査員に示さなければならない。」と規定されています。通常は、可能なら3つの顧客から部品を1つずつ合計で3つを選定します。
6.1 監査時に試験される部品に関する情報の記入
3つの部品(A,B,C)に対してそれぞれ顧客名、注文書番号から始まりワークオーダー、ロット番号、プロセススペック/リビジョン、部品名称、部品番号/リビジョン、浸透剤のタイプ、検査員など17個のチェック項目の情報を記入します。
6.2 実部品でのチェックが出来ず、記録で確認する場合
記入すべき事項は、6.1項と同じです。(6.1項で実部品によりチェックをすれば、この項は適用不要)
6.3 顧客スペック
契約文書で規定される顧客スペック、改訂版を入手しているか? から始まり、要求事項、手順書及び許容基準が検査員に利用できるか?・・・ など7つのチェック項目があります。
6.4 検査工程
検査記録はトレーサビリティが確保されているか? 合格基準スペックは? 作業手準はよいか? など4つのチェック項目があります。
以下、詳細チェック内容までは示せませんが、項目名のみ列挙してみます。
6.5 前洗浄 6.6 グリッドブラスト
6.7 浸透探傷前のエッチング 6.8 浸透液の適用
6.9 乳化剤の使用 6.10 浸透剤の除去
6.11 現像剤の適用 6.12 乾式現像剤(フォーム a)
6.13 湿式現像剤(フォーム b & c) 6.14 速乾性現像剤(フォーム d)
6.15 検査エリア 6.16 評価
6.17 後洗浄 6.18 検査員の認定
6.19 検査状態
6.5項から6.19項までで トータル62のチェック項目があります。
詳細のチェック項目は、原文を参照下さい。
尚、PRIが運用しているeAuditNetのサイトで要求事項の原文がアクセスできますし、JAQGのサイトから翻訳版も見られます。この原稿もJAQGのサイトに掲載の資料から引用させていただきました。
詳しい要求事項はそれらを参照してみて下さい。
文責 山本 晴久
「続き(第7回)を読む」
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