筆者も5年間、航空機ではなく自動車の部品を供給している会社に籍を置いた時期があります。そこでの経験ですが、部品サプライヤから初品を納入する際には、FA(初品)パッケージの提出を要求していました。

FAパッケージには、実に膨大なデータが要求され、例えば工程FMEA、工程設計の成果物、工程毎の工程能力評価、工程能力が十分でないときの改善策あるいは全数検査での選別実施計画などキングファイル1冊では収まりきらないほどの資料を提出いただき評価していました。一気に量産に突入する部品であるだけに、初品での品質の作り込みに最大の労力を割いていたのだと思います。

ところで、航空・宇宙・防衛産業の品質マネジメントシステム要求(JISQ9100)があるように自動車産業の品質マネジメントシステム要求(IATF16949)があります。

これらの2つに共通して言えることは、いずれもベースは、ISO9001であり、航空機などの特別要求を追加したものがJISQ9100であり、自動車の特別要求を追加したものがIATF16949となっています。米国のビッグ3(クライスラー、フォード、GM)が1994年に制定したQS9000が1999年にISO TS16949となり、2015年にIATF16949となったものです。

航空機と自動車では、その製品としての使われ方、生産規模(数量)、製品の複雑さ(大きさ、部品点数)などに大きな違いがあり、また、客先との関係がB to BとB to Cで全く異なることに伴い、その品質マネジメントシステムにも大きな違いがあるのではないかと読者の皆様も思っておられるのではないでしょうか?

筆者も、以前からこのことに関心を持っており、昨年、まとまった時間を見つけて多少要求事項など読んでみました。この辺りを少し話ができればと考えています。

IATF16949というのは、自動車業界の要求ではありますが、航空宇宙の分野でも、海外の航空機、エンジンメーカから、日本のパートナー企業にAPQP(Advanced Product Quality Planning:先行製品品質計画)、PPAP(Production Part Approval Process:生産部品承認プロセス)を要求されるようになってきています。

また、航空宇宙工業会でもSJAC9145「航空宇宙先行製品品質計画及び生産部品承認プロセスに関する要求事項」が2017年6月に発行されています。

そういう意味でも、自動車関連の品質マネジメント要求を知っておいても無駄にはならないはずです。

次回以降をお楽しみに!

文責 山本