Nadcapについて 第4回

Nadcapについて4 必要

前回までは、Nadcap認証を取得するために必要な準備事項について解説しました。今回は、審査当日に向けて準備すべき内容について解説します。
前回のコラムを読む(2021.8.3配信)>>>

6.審査当日に向けての準備
(1)全般的
事前に審査スケジュールを設定しておき、オープニング時に説明し、審査員に内容を確認することをお勧めします。説明する内容としては、会社概要、審査スケジュール(Job Audit)の確認、技術要求(適用スペック)の一覧表、対象部品に対する情報、スコープ(対象の特殊工程)の確認 などです。
また、日々の審査終了時には、ラップアップを行いその日の状況を確認します。指摘事項などがあれば、審査員のその内容を記載してもらい解釈ミスの防止を図ることが重要です。最終日の審査終了ミーティングも同様です。

(2) ポイント
審査の判断基準は、以下の3点です。Self Auditではこれらに留意して対象となるAudit Criteriaの確認項目を理解し、文書化、現場への展開・実施が必要です。
・Existence(存在):要求された方針、手順の文書が存在しているか
・Adequacy(妥当性):サブスクライバー(プライム)の要求事項が完全に文書に反映されているか
・Compliance(適合性):有効に実施された証拠はあるか
審査中においては、審査員とのコミュニケーションを図りながら、不適合とされた事象を確認し、是正処置の方向性について確認しておくことが重要です。

審査終了後は、挙げられたNCRに対する是正処置について迅速に対処し、是正回答することです。不適合への対応は、(4)に記します。
是正回答時に注意することは、以下のとおりです。
・根本原因を厳格に追究する
・是正対策の証拠を示すことと、期限(1回目:21日以内、スタッフエンジニアからの追加質問などのやり取りでの2~4回目:7日以内、いずれもカレンダーデイで4回までに了承されないと、審査は不合格になる)を厳守することです。

(3) Job Audit
審査の重要事項であるJob Audit(現場審査)では、顧客の要求事項の全てを満足していることを、実際の製品で全プロセスを追って、契約の確認、作業手順、計測機器の校正、管理パラメータの適合性、検査及び試験、教育、認定・資格付与、不適合処置の確認などを審査されます。
また、作業者や検査員が認定されている場合は、実作業のデモンストレーションを審査員に指名された人が立会下で実施することになりますので、事前に関係者で作業手順や注意事項などを確認しておくことです。

(4) 不適合への対応
審査員が不適合と判断した事象に対して、NCRが発行されます。その内容は、理解できるまで確認し、納得できない場合は反論もできます。審査員がNCRとした事象でも、例えば、不適合ではないと思われる場合などは、スタッフエンジニアに申し立てすることも可能です。(Voidとなる場合もあります)

NCRには、Major NonconformanceとMinor Nonconformanceがあります。Minor Nonconformanceに対しては、審査期間中に是正処置し、審査員が了承すれば、On Site Closedとされる場合がありますので、可能であれば審査期間中に処置することです。
NCRが全てクローズすると、eAuditNet上に完了表示され、その後認証証明書が送付されて来ます。認証を取得したサプライヤは、Web上で公開されます。

以上、Nadcap認証の取得までに実施する内容を解説しましたが、、今回で、“Nadcapについて”としての投稿を終了します。
なお、ご不明点やご質問事項等については、弊社ホームページからお問合せ下さい。

文責 古郡秀一

「次回コンプライアンスマトリックスを読む」

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