#8_AS13100_FAI(RM13102)

今回は、民間航空エンジンに関わる品質要求AS13100(以下13100)8.5.1.6項のFAI要求にて参考資料として呼び出されるRM13102 (First Article Inspection:初品検査、以下13102)の内容を紹介します。

8.5.1.6 a) 項では“FAIはAS9102(以下9102)要求に基づき実施し、RM13102を参考とすること” と記載されています。そのため、9102に沿った内容になっていますが、製造工程検証(能力評価)の考え方や、詳細な要求等に差異があります。特徴的な事項を以下に説明します。

1.FAIとPPAPの関係(1項:Relationship between FAI and PPAP)
FAIの実施は「工程が少なくとも一回は適合品を製造できた」ことの確認にとどまり、製造工程の能力・安定性の評価はPPAPを適用すべきとしています。

2.適用対象品目の明確化(3項:Application of FAI)
 対象品目についての詳細な規定が追加されています。製造終了した製品でもスペアパーツカタログに記載されている補用品は対象とされます。逆に適用不要なケース(保護パーツ、顧客支給品等)も明記されています。

3.FAIプランの明確化(5項:Plan FAI)
・製品定義にある全要求事項に固有番号を付与しての識別が要求されています。
・データムに基づく基本寸法、ゲージ寸法への対応等の詳細内容が記載されています。
・製造工程用で使用するものとは異なる(別の)検査用測定器の使用が要求されます。
(13100で規定済み)
・具体的な添付文書(製造手順及び結果、材料証明、機能試験結果等)を詳細に列挙して
います。(5項 Table 1)

4.FAI結果の確認(7項:Approve FAI Report)
AS9102の4.4項 “評価の実施”に評価の観点は定性的な内容ですが、13102ではForm1/2/3毎に内容確認のための詳細なガイダンスが記載されています。そのまま監査用チェックシートとして適用できるほど具体的な内容です。

また9100から13102に至る一連の関係については、以下の様に解釈しています。
① 9100 8.5.1.3項:工程検証を要求
② 9102:FAIの実施方法を規定
③ 13100 8.5.1.6項:9102によるFAIを要求、13102を参照
④ 13102:9102を航空エンジン業界で運用/レビューするためのガイダンス

13100は客先要求のため、解釈に幅は生じると考えますが、FAIとPPAPの役割を分離する、という考え方が最大の特徴のように思います。既にご対応され、ご苦労された皆様からいつか機会あればご見解をお聞きしたいと考えます。

以上

文責:小林淳一郎

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