#2_AS13100_代替検査頻度計画(RM13002)

第2回目は、RM13002:リファレンスマニュアル_Alternate Frequency Inspection Plansについて解説いたします。

航空エンジンの世界では原則として100%(全数、全箇所)検査が要求されています。

一方でそれではただただ時間とお金がかかってしまうという問題もありもっと効率的に製品検査をやっていきたいと考えるのは部品メーカー共通の思いです。ただ勝手に検査を効率化してしまって不適合品が流出してしまうと大問題ですので抜取検査などを適用する場合は顧客の承認が必須とされています。

そこで100%検査に代えて頻度を減らした検査計画を“Alternate Frequency Inspection Plan”と定義して(日本語に変換すると 「代替頻度検査計画」でしょうか)、顧客承認を取得するための必須事項などをまとめたものがこのRM13002となります。

RM13002には代替頻度検査を適用可能な例として主要な3つの例が示されています。
1.統計的工程管理:検査対象特性が統計的に十分安定している場合に検査頻度を下げる。
2.ソフトウェア数値制御:NC加工をする時に例えば最初と最後だけ確認して他の特性を保証する。
3.金型・形状管理:金型やツールの寸法を確認することで製品特性を保証する。

これらの場合は検査効率化の可能性があるということですね。

また顧客への承認申請を行うときに必要なデータパッケージも示されています。
・部品番号、対象の特性
・提案する検査頻度とその管理も含めた手順
・FAI結果
・MSA結果
・代替頻度を適用してもリスクはほぼないことを示す統計データや技術的な裏付け
・リスクが高くなったときにどうするかをまとめた手順書(Reaction Plan) 

などが必要となります。

要するに「抜取検査を適用したいサプライヤ」と「抜取検査をさせたくない顧客」の攻防なので理論武装(データパック)が必要ということです。

前職でロールスロイスのエンジン部品を担当していた時には(その時にはRM13002はまだ制定されておらず、顧客の担当者と相談/喧嘩しながら進めていましたが)何度も何度も各種資料や評価結果を準備・説明し、ようやく承認が取れた時には1年以上が経過し部品は製造が終わってしまったという残念な経験もありました。今はRM13002も制定されもう少しやりやすくなったのではないでしょうか。

以上

文責:竹内 朗

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