【第1回】AMS2750Hの概説

~航空宇宙防衛産業における熱処理の標準的要件を規定~

AMS2750は、米国SEA Internationalが発行している題目が「Pyrometry(高温測定)」という規格です。現在の改訂符号はHで、2024年7月に発行されています。この規格の内容は、金属材料の熱処理に使用される機器の測定要件、具体的には温度センサー、計測機器、熱処理装置、システム精度試験(SAT : System Accuracy Test)および温度均一性検査(TUS : Temperature Uniformity Survey)などを規定しています。

 AMS2750は、世界、特に欧米の航空・宇宙および防衛産業の金属の熱処理作業においては、標準的かつ共通の要件(要求事項)となっています。また、国際的な特殊工程認証制度(Nadcap)の熱処理においても、審査基準(Audit Criteria)の中にAC7102/8「Audit Criteria For Pyrometry」が制定されており、その内容はAMS2750を準拠した要件(要求事項)になっています。

 航空・宇宙および防衛産業の金属の熱処理作業においては、「使用している炉が、その熱処理作業に適した炉なのか?」、「測定温度やその記録は正確なのか?」、「熱処理対象部材は、熱処理中終始一貫して要求される温度の中に晒されているか?」や「炉内の温度のバラツキは公差内か?」の疑問に対して客観的証拠をもって答える必要があります。そのためには、この規格AMS2750の要件(要求事項)を満たす必要があります。

AMS2750Rev.Hの規格の文章構成を右側に記載しました。
この記載されている条項中で、今後6回にわたって第3項のTechnical Requirements(技術的要求事項)の主要な個所を
主要な要件(要求事項)として概説します。

次回は、第3-1.項のTemperature Sensors(温度センサー)の主要な要求事項を概説します。

<<おことわり>>
この概説は、あくまで入門情報として捉え、実際の熱処理作業への適用に当たっては、自社の顧客の熱処理に関する要求事項を把握した上で、規格AMS2750Hの関連条項を直接確認して、温度センサー、計器や熱処理設備等の準備そしてSAT及びTUSの計画と実施をお願いします。

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