#6 飛行機の安全性を確保する方法についての豆知識シリーズ

 (3) 事業場認定制度〔続き〕

 国によって「能力がある」と判断された企業(民間の事業場)すなわち“認定事業場”となったから、すぐに国の審査・検査ができるかというとそうはいきません。 
 認定事業場は、次に実施しなくてはならないことは、“業務規程”と称する文書化されたものを作成して、国の認可を得なければなりません。認可を得たならば、“業務規程”に記載された事項を全員が遵守しなければなりません。

 では、“業務規程”にどのような事項を記述すればいいのかを次に示します。

  • 「一般」として、業務規程及び社内規程の体系、業務の変更に係る手続、業務規程の変更に係る手続、不安全事象報告の手続 など
  • 「施設」として、施設(設備、事務所、作業場等)の一覧、施設の配置状況 など
  • 「組織及び人員」として、組織図、最高責任者・各組織の権限と責任、社内資格者の資格要件・権限・責任など
  • 国の審査官・検査官に代わって審査・検査を行うことのできる要員の選任基準 など
  • 「作業の実施方法」として、設計作業の実施要領書のような文書の体系と概要 など
  • 「品質管理制度」として、教育訓練の仕組み、技術資料の管理の方法、設計書類の社内検査の方法、製造品の社内検査の仕組み、委託先の管理、記録の管理、内部監査の方法 など
  • 「国の審査官・検査官に代わって審査・検査を行うことのできる要員が実施する確認業務の実施方法」 など

“業務規程”に記述する事項は、概ねわかりました。
それでは、“業務規程”を書いてみて下さいと言われて、それぞれの事項に、何をどの程度の細かさで記述していけばいいのかと頭を抱えてしまいます。
となると、勉強するしかありません。
何を勉強すればいいのでしょうか?

“サーキュラー”(国土交通省航空局安全部安全政策課/航空機安全課 発行)という文書を熟読して理解した上で執筆しましょう。
熟読して理解しろと言う“サーキュラー”はどうすれば入手できるのですか。と質問したくなります。

インターネット上で「航空安全情報管理・提供システム」と検索し、ログイン画面を出します。
ログインに必要なユーザ名・パスワードを入力しなくても「OK」をクリックするだけで「サーキュラー情報管理」が表示され、クリックすると「№2事業場認定に係る手続き、方針等」が、更にクリックしていくと熟読したいサーキュラーが表示されます。試みましょう‼

 6回にわたって「航空機の安全性を確保する方法」の一部を紹介しました。 航空機の安全性は、種々の方法が有機的に働いて、確保され続けることでしょう。              

文責:田中 僅二