【第4回】AMS2750Hの概説

~熱処理装置は、炉のクラスと計器タイプの組み合わせで選択~

今回の概説対象は、炉の本体である3.3項の熱処理装置(Thermal Processing Equipment)です。熱処理装置には、加熱方式において電気式とガス式がありますが、3.3項においてはいずれかの使用の優先や制限の規定はなく、ただ使用する熱処理装置の炉内の有効範囲における温度精度、すなわち炉内の場所による温度のバラツキが規定されています。

温度のバラツキを、規定では「温度均一性(Temperature Uniformity)」とし定義し、熱処理装置に対する炉のクラス(前3回で概説済み)によって、温度均一性の許容値が規定されています。炉のクラス毎の温度均一性の許容値は、右の表に示したとおりです。
 温度のバラツキの小さい、高精度な熱処理には、炉のクラス1や2の使用が要求され、他方あまり精度が要求されない熱処理には、炉のクラス4や5が使用できることになります。なお、この温度均一性を確認・検証する行為が、温度均一性調査(TUS:第6回概説予定)です。

もう一つ大事な規定として、熱処理装置に組込む計器とセンサーの規定があります。規定においては、組込む計器とセンサーの種類や数によって、「計器タイプ(Instrumentation Type)」としてA、B、C、D+、DおよびEの6つに区分しており、計器タイプ毎に要求されるセンサーを右の表(緑色)に示します。計器タイプAはBより高品質な温度管理ができ、BはCより高品質な温度管理ができる等、以下同様です。

下の図では、最も高品質な温度管理ができる計器タイプAの計器およびセンサーの構成を図解しています。この図では、制御計器・記録計器と制御センサーが、高温センサー(図では過昇温防止センサーを併用)・低温センサーと記録計器(図ではマルチチャートレコーダー)が、またロードセンサー(図では部品・原材料に対するセンサー)と記録計器(図ではマルチチャートレコーダー)が描かれています。

まとめとして、熱処理装置は、主に組込む計器タイプ、すなわちセンサーの数によって炉としての温度管理の品質が決まります。  次回は、3-4項のSystem Accuracy Test(SAT:システム精度試験)について概説します。                

文責:小山 隆一

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