【第4回】不良、クレームの低減活動

「品質マネジメントシステム(QMS)の認証を取得したが、不良、クレームがなかなか減らない」ということもよく聞く話です。

JIS Q 9001/9100等のQMS規格は、品質の良い、信頼性の高い製品・サービスを提供するために、どのようなプロセスを設定し、システムとして組織に組み込んで活動しなければならないかということを規定しており、いわば品質を作りこむための体制の整備でインフラ整備のようなものです。

一方で不良・クレームは、組織の固有技術に起因するものであり、QMS規格では不良・クレームの具体的な削減、低減方法には言及していません。これらの問題は、組織の固有技術で問題解決する必要があります。

問題解決の第一歩は、現状把握です。現状把握のための方法(QC7つ道具、新QC7つ道具、etc.)や、分析の仕方(なぜなぜ分析、知行分析、ヒューマンエラー分析、FMEA、etc.)は、いろいろなテキストで解説されていますので活用してください。

人間だれしも不良や不具合を出そうとして作業をしていません。なんとか良いものを作ろうと努力しているわけですが、それでも不具合が出ます。それがヒューマンエラーです。ヒューマンエラーを防止するためには、徹底した教育、訓練です。

教育訓練というと、すぐにOJT(On the Job Training)が頭に思い浮かびますが、日本のOJTは「おまえら、自分でやれ、たよるな」で、先輩のやり方を見て学ぶというやり方です。先輩が間違った方法でやっているとそのまま間違った方法が伝承されてしまいます。

OJTを実施する場合、正しい方法や要領をテキスト等できちんと指導し、それに習熟した人が後輩を指導する体制を作っておく必要があります。OJTということで現場まかせにしないことが肝要です。

文責:豊崎 義行