【#4】航空機への複合材適用について:複合材製品の品質管理

5.複合材製品の品質管理
複合材部品はお菓子のミルフィーユの様に、炭素繊維材料を何枚も積層した上でオートクレーブに入れて高温&高圧の環境下で成形した構造なので、品質管理のポイントは「炭素繊維の材料間に空間(鋳物部品の巣の様なモノ)が出来ていないか」「炭素繊維にシワが発生していないか」を検査で調べる事が最重要です。

これらの「空間」や「シワ」の存在有無は、複合材部品の内部を検査する必要が有るので非破壊検査(NDI:Non Destructive Inspection)を実施するのが一般的です。非破壊検査の具体的な検査手法としては「超音波探傷検査(UT:Ultra-sonic Test)」「放射線探傷検査(XT:X-Ray Test)」「コインタッピング」などが有ります。図-23~24に複合材の不適合例、図-25に代表的な非破壊検査手法である超音波検査について紹介します。

文責:丹羽 高興