#1_内部監査の重要性について

内部監査については、弊社のコラムにて、過去にも色々な切り口で紹介されてきましたが、民間航空エンジンに関わる品質要求AS13100や、その参考資料のRM13005(Quality Audit Requirement:品質監査)による、内部監査リーダー(Lead Auditor)の認定等の新たな要求に対応すべく、弊社の内部監査リーダー養成セミナーの内容を見直した機会でもあり、改めてコラムで取り上げました。

以降4回に分けて、内部監査についてお話しようと考えています。

#1内部監査の重要性について
#2内部監査員の力量について
#3内部監査リーダー(Lead Auditor)の職務/認定について
#4既存の内部監査(QMS監査)に追加される監査について

    今回は、今更ですが1項の内部監査の重要性について考えてみましょう。

    昨今、改ざん等による事案が世間を騒がしています。監査経験者であれば、ご理解いただけると思いますが、組織ぐるみで改ざんにより不適合が隠蔽されてしまうと、内部監査で指摘することは困難です。加えて内部監査は限られた時間内で、抜取り的に品質記録を確認せざるを得ず、隅々まで抜けなく確認できるわけでもありません。

    それでも当方は、“内部監査はQMSの土台を支える縁の下の力持ち”であると信じています。

    受審前に被監査部門は、念のために運用状況のレビューをすると思います。また監査中は監査員に対して、自部門の運用が要求を満足していることを真摯に説明しなければなりません。

    これは定期的にQMS要求に基づく社内規定の内容を再確認し、その規定通りに自部門が運用していることの確認を繰り返すことを意味します。

    このサイクルを重ねることによって、被監査側のQMS適用についての理解が深まり、結果としてQMSの土台構築に寄与していく、と考えています。もし監査中の指摘/気付き事項があれば、その対策によりQMS自体の改善も実現されます。更にQMS遵守の雰囲気が醸造され、結果と

    して改ざんしよう、という発想が払拭さるのではないかと期待しています。

    ただし、この成果を期待するためには、このサイクルがマンネリにならぬ様、被監査部門から積極的な協力を引き出し、QMSの重要性を理解/納得してもらえる様な働きかけができる力量を持つ監査員が必要です。

    次回はそのような監査員の力量についてお話したいと思います。

    文責:小林 淳一郎