第1回_航空機の品質保証(自動車との比較)

近年、自動車業界等の航空機業界以外からのエアモビリティ(空飛ぶクルマ という)へ参入されている又は、参入を検討されている企業様が多いと推測されます。

今回より4回にわたり、「航空機の品質保証(自動車との比較)」をテーマに、自動車の観点から見た航空機の品質保証の特徴について述べます。なお、本内容に関しては、自動車業界の企業様に協力いただいき作成したものをベースとしています。

第1回は、航空機と自動車の品質保証の違いからくる航空機の品質保証の特徴についてです。
航空機は、人が乗って空を飛ぶものであり、飛行中の不適合発生は飛行安全に即影響するため、厳しい管理要求が前提となっています。

まず、航空機と自動車の違いを下表のように表すことができます。

このような違いから、品質保証の特徴としては、

航空機は、変更しない文化(工程凍結:同一図面、同一の製造方法で、同一の製品を製造する)、一方、自動車は、改善の文化(良い品質の製品をより効率的に製造する)と言えるでしょう。

次に、航空機の品質保証は、航空機の先進国である欧米社会の状況や考え方を反映した以下のような要求内容となっていると言えます。

以上のように航空機では、その特徴や状況を反映した自動車とは違ったQMS要求事項が設定されていますので、次回以降、航空機のQMS要求である9100規格の特徴について述べます。

文責  古郡 秀一

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