その運用は大丈夫ですか? マネジメントレビューでトップが確認

5月から、JIS Q 9100 品質マネジメントシステムをPDCAでみたときに「Check」に相当する「箇条9 パフォーマンス評価」について説明するということで、前々回は内部監査の要求事項と大きな流れについて、前回は内部監査の質が重要であるということを解説しました。今回は、「箇条9.3マネジメントレビュー」について解説します。

まず箇条9.3.1一般で、組織の品質マネジメントシステムが、引き続き、適切、妥当かつ有効でさらに組織の戦略的な方向性と一致していることを確実にするために、組織の最高責任者が、あらかじめ定めた間隔で、品質マネジメントシステムをレビューすることを求めています。当社では毎年4月に社長が実施することにしています。

箇条9.3.2ではマネジメントレビューにインプットする情報が列挙されています。

a) 前回までのマネジメントレビューの結果とった処置の状況
→ 当社の場合、1年前のレビューでの指摘事項の処置状況を確認しました。

b) 品質マネジメントシステムに関連する外部及び内部の課題の変化
→ 外部の課題の変化として、コロナで生産が落ち込んでいた一部の部品の生産が回復、人員配置を見直す。内部の課題の変化については、収益確保の対策などについて確認しました。

c) 次に示す傾向を含めた、品質マネジメントシステムのパフォーマンス及び有効性に関する情報
1) 顧客満足及び密接に関連する利害関係者からのフィードバック
→ 顧客毎の評価ポイントを確認、評価が低い顧客についてはその理由も確認しました。

2) 品質目標が満たされている程度
→ クレームや不適合の件数など、品質目標の達成度合いを確認、未達の項目については対策の状況についても確認しました。
( 3) ~ 8) については説明省略)

d) 資源の妥当性
→ 人員規模、能力、インフラについて確認しました。

e) リスク及び機会への取組みの有効性
→ 上記 b) の取組みの有効性について確認しました。

f) 改善の機会
→ 品質マニュアルの見直しの結果などについて確認しました。

箇条9.3.3では、マネジメントレビューからのアウトプットとして、次の事項に関する決定及び処置を含めなければならないと要求されています。

a) 改善の機会 → QMSや製品品質等について改善事項と実施時期を指示します。
b) 品質マネジメントシステムのあらゆる変更の必要性 → 変更要否を指示します。
c) 資源の必要性 → 資源(人、物、情報)の追加の必要性について指示します。
d) 特定されたリスク → リスクの達成に向けた対策の必要性を判断し指示します。

以上、今回まで4回シリーズで「箇条9パフォーマンス評価」について解説してきました。御社の品質マネジメントシステム改善のために、運用状況を評価(PDCAのCheck)される際に、参考にしていただければ幸いです。 最後までお読みいただきありがとうございました。

文責  有田 智充

航空宇宙の品質保証に携わってきた講師が分かりやすく、航空宇宙の内部監査について解説致します。また、2日目には
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