その運用は大丈夫ですか? 評価と改善
2020年1月に日本国内でコロナウイルスの感染者が確認されて以降、国や自治体がワクチン接種や緊急事態宣言など感染拡大を防ぐための様々な施策を進めてきました。今年のゴールデンウィークは行動制限もなく、新幹線や飛行機、多くの観光地が混雑、WHOテドロス事務局長も国際的な緊急事態の終了を宣言し、国内でも5月8日以降 法的な扱いが5類に緩和されて行政による要請・関与はなくなりました。でも本当にコロナ前の生活に戻って大丈夫なのでしょうか。
この先も国や関係機関は、感染者数をモニターして、必要と判断した場合は対策を講じていくことになります。まさにPDCAのCheck、Actionです。
ご存じの通り、JIS Q 9100規格で要求される品質マネジメントシステムにも、PDCAサイクルが組み込まれています。
即ち、箇条4(組織の取組み)、箇条5(リーダーシップ)、箇条6(計画)がPlan、
箇条7(支援)と箇条8(運用)がDo、箇条9(パフォーマンス評価)がCheck、
箇条10(改善)がActionという構成になっています。
今回は箇条9 パフォーマンス評価について解説します。
まず、箇条9.1で「監視、測定、分析及び評価」について要求され、
a) 監視及び測定が必要な対象、
b) 監視、測定、分析及び評価の方法、
c) 監視及び測定の実施時期、
d) 監視及び測定の結果の、分析及び評価の時期 を決めなければなりません。ちなみに当社では、監視及び測定は毎月、分析及び評価は3か月ごとに実施するように定めています。
また、品質マネジメントシステムのパフォーマンス及び有効性の評価を要求されており、当社はマネジメントレビュー(箇条9.3)の中で評価しています。
品質マネジメントシステムを実施する便益の一つに「顧客満足の向上」があり、顧客のニーズ及び期待が満たされているか、顧客満足度について監視することが求められます。当社では顧客からの苦情や顧客に流出した不適合を情報として収集するのに加えて、毎年1回 顧客のもとに出向いて、品質、コスト、納期に関してヒアリングを実施しています。
さらに監視及び測定から得られたデータ、情報を分析して、a) 製品及びサービスの適合、b) 顧客満足度、c) 品質マネジメントシステムのパフォーマンス及び有効性、d) 計画が効果的に実施されたかどうか、e) リスク及び機会への取組みの有効性、f) 外部提供者のパフォーマンス、g) 品質マネジメントシステムの改善の必要性 を評価します。
例えば、製品の適合は不適合の分析結果から、顧客満足度は顧客からのクレーム、是正要求、納期などによって評価することができます。
データを分析する方法には統計的手法が含まれ得るとの注記があり、QC7つ道具を活用することもできます。
次回は箇条9.2 内部監査について解説します。
文責 有田 智充
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