あるQAマンの体験記 第33回 もしドラ研修(リーダー教育)

 

今回は、「もしドラ」をヒントにリーダー教育をした時の話をします。 

社員教育は、検査員の基本動作教育、共通の知識教育として図面(幾何公差)の見方、改善手法としてQC7つ道具の使い方、なぜなぜ分析の進め方、ヒューマンエラーへの対策など興味のありそうなテーマなどは、不十分ながらも筆者が一般社員を対象に定例会議など全員が集合する中で直接行いました。 

一方、リーダー格に研修をしたいと思って考案した研修が「もしドラ」研修でした。 

ピータードラッカーの経営理論を野球のマネージャーが取り入れると、野球チームを強くすることができるという趣旨の出版物「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』をよんだら(略して、「もしドラ」)」という本が当時話題になりました。 

ご記憶にある方も多いのではないかと思います。 

それをヒントにリーダー格の社員を集めて研修をしてもらうことにしました。その内容を少し紹介しましょう。 

下記は、その本から一部の図を抜粋したものです。下図の左は登場人物の特徴、右はこの本のあらすじです。イメージだけ見ていただきたく。 

そこでドラッカーの会社経営の勘所を野球チームの強化にどう生かせるかを女子マネージャーが考えた結果が下記の青字です。

<会社経営>  → <野球チームに置き換えると> 
使命の明確化 → 甲子園に行く                                                                    
顧客は誰 → 先生、学校関係者、チームのファンなどがお客様
顧客は何を買う → 野球を見て感動する
強みは? → マネージャーは野球知り尽くす、足の速い選手を生かしたい
弱みは? → コミュニケーションが悪いのが共通認識
取り巻く環境 → 強豪チームがあり普通の事をしていても甲子園には行けない
提供すべきサービスは? → 手に汗にぎる熱戦を見ていただく
目標設定 → 県大会で優勝する
イノベーションは? → ノーバンド(積極的に打つ)/ノーボール作戦(ストライク先行)
人材の活用 → 適材適所で選手を起用する
などです。

野球で言えば青字のようなことが検討され、一つひとつを克服し甲子園に出場することができたというストーリーをフォローしながら、一方では、自社の経営をするという立場で考えてみれば、どういう打ち手を打つのがいいのかを、検討してもらうことにしました。具体的には、ワークショップの形をとり、社内の数名から構成される4~5のチームを作り、議論をしてもらい、その成果をそれぞれのチームから発表してもらいました。

野球チームを強くすることも会社を一流企業に成長させることも、そのために行うことは、結局は同じということであると、研修に参加した人達には感じてもらったのではないかと思います。

少し遊び心を取り入れた研修でしたが、手作りの研修としては、好評であった(自己満足?)ように思います。また同時に休みの日に普段の仕事を離れて皆で会社の将来を考えるという機会を共有で来たことが、非常に新鮮であったようにも思いました。

文責 山本 晴久

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