JIS Q 9100の分かり易い解説について(第8回-4)

第8回3~1で、箇条8.7 不適合なアウトプットの管理における不適合製品の管理等について記載させていただきました。

今回は、不適合製品の廃却品の処置方法について記載させていただきます。 前回説明以降の規格は、次の通り処理することが要求されています。
8.7.1 ・・・ からの逸脱を引き起こす場合、顧客の承認後廃却と判定した製品は、物理的に使用できなくなるまで、分かりやすく、かつ、永久的な印を付けるか、又は確実に管理しなければならない。模倣品又は模倣品の疑いのある部品は、サプライチェーンへの再混入を防止するために管理しなければならない。不適合なアウトプットに修正を施したときには、要求事項への適合を検証しなければならない。

 特に廃却品につきましては、物理的に使用できなくなるまで、大変厳格に管理することが要求されています。
例えば、ある企業様のお客様による監査時に、スクラップ品の管理状況が確認されました。その際、廃却品がそのままの形態で保管され、外部の廃棄業者に引き渡されようとされていました。お客様は、その企業様に対し重大な不適合として至急再発防止策をとるように要請されました。

何故、お客様は廃却品の処置を厳しく管理するよう要求されるのでしょうか。

それは、廃却品であっても、材質、形状等はお客様のノウハウの集まりであって、万が一にもコンペチターが入手した場合は、重要なノウハウが流出する恐れがあるからです。

したがって、廃却品を展示会等で展示しているところを、お客様が発見されると大変な事態になることは、いうまでもありません。廃却品につきましては、お客様より顧客への返却、原形が分からくなるまで切断する等が通常要求されていますので、企業様はお客様の要求事項を適切に理解して、管理することが大変重要です。      

箇条8.7不適合なアウトプットの管理について4回に亘り、お話しさせていただきました。
次回は、箇条10.2不適合及び是正処置について、説明させていただきます。

 文責 松田一ニ三

名古屋品証研株式会社

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