JIS Q 9100の分かり易い解説について(第8回-2)

前回は、箇条8.7 不適合なアウトプットの管理における不適合製品の分類・管理方法等について記載させていただきました。

今回は、不適合製品の処置等の管理プロセスについてお話しさせていただきます。規格では次の通り管理することが要求されています。
 8.7.1 
 ・・・不適合な製品及びサービスにも適用されなければならない。
  組織の不適合管理プロセスは、次の事項を含む文書化した情報として維持しなければならない。
 ― (1)不適合なアウトプットの内容確認及び処置判定に対する責任及び権限、並びこれらの決定を行う
      人々の承認手順を規定する。
 ― (2)他のプロセス、製品又はサービスに及ぼす不適合の影響を封じ込めるために必要な処置をとる。
 ― (3)顧客及び密接に関連する利害関係者に引き渡された製品及びサービスに影響を及ぼす不適合の適時な報告
 ― (4)不適合の影響に応じて適切に、引き渡し後に検出された不適合な製品及びサービスの対する是正処置を
      決定する(10.2参照)。
 注記 不適合な製品及びサービスの通知を要する利害関係者には、外部提供者、内部の組織、顧客、販売業者及び監督官庁が含まれ得る。・・ 

 規格の要求順に従って、具体的な内容を説明させていただきます。

(1)不適合報告書に記載された不適合製品の状況、原因、是正処置が適切であるかの内容確認は検査員が行い、
   処置判定は次のように運用されるのが一般的です。
・再加工、明らかな廃却につきましては、検査員が行います。
・そのまま使用、修理、廃却につきましては、技術部門が行います。

(2)封じ込め処置とは、不適合の影響を最小限にするために、生産の一時停止、顧客への報告等を迅速に処置を行うことです。

(3)納入した製品の品質に影響するような不適合が発生した場合は、利害関係者(監督官庁、顧客、購買先等)に対して、適時な報告をすることが要求されています。

(4)不適合の影響度に応じて、箇条10.2に基づき是正処置をとることが求められています。

次回は、不適合製品の処理等について、お話しさせていただきます。

 文責 松田一ニ三

名古屋品証研株式会社

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