あるQAマンの体験記 第20回 三階層ミーティングの開催

前回に続き、企画課で経験したことの第2弾です。企画課は、事業所の経営に対するお手伝いをする部署です。その中の任務の一つに事業所内のモチベーションを向上させる活動の立案と推進というのがありました 。

 一口にモチベーション向上といっても、人のやる気を引き出す活動であり、心理学者でもない自分がどんな手段に出ればいいかを考えました。それにはいろんな手段がありそうで
 ・・・待遇・職場環境改善、公正な人事評価、挑戦を促す制度、キャリアアップ研修、コミュニケーションの充実、経営情報を知り提言したい・・・などいろいろ考えられますが、企画部門の特徴を生かした策はないかと考えました。

そこで考えたのが、最後の2つを合体した活動ができないかということでした。

一般的には、事業戦略などはトップマネジメントが最終決定するものですが、それ以下の部門管理職、中間管理職、一般社員など何らかの形で関与できないかという発想の下で、次のような三階層ミーティングを発案し、実行しました。

 ・先ず、三階層の言葉が意味するように、部長格、課長格、係長格の3つの階層から人を集める。
 ・会社の就業時間外で行う。
 ・場所を工場内から別の場所に移しリラックスできる環境を提供する。
 ・経営の課題を企画課長からプレゼンして課題の共有化を図る。
 ・各グループの討議結果をトップマネジメント(事業所長、副所長)が聞いて評価する。
 ・経営者として提言を受け止める。

実は、この三階層ミーティングは、同じ会社の別の事業所で発案され、成果があったという報告を以前に聞いており、可能なら自分たちの事業所でも行いたいと構想を温めていたもので、直ぐに計画に取り掛かりました。

先ずは自部門の長(課長)に構想を説明したところ、直ぐにやろうという決済を得ました。その課長は元経理課長であり、そういいことなら“普段聞けない経理/損益の話を最初に自分からプレゼンをしよう!”ということで、非常に前向きな助言をしていただきました。

また、この企画は、事業所としての活動であるため、事業所の事務方のトップマネジメント(副所長)に説明に行ったところ、“それは面白いじゃないか!“の一言で了承を得て事業所長にも了解を取っておくからと言っていただき、とんとん拍子で話が進みました。

三階層ミーティングの当日は、事業所の隣にある市の研修センターを借り、金曜日の午後から研修を始めました。メンバーなどは、先に構想で説明した通り、各部門の10名弱の部長、部長から推薦を頂いた10名程度の課長と同じく10名程度の係長に参加していただきました。

そして三階層ミーティング開催の趣旨の説明に始まり、経理/損益の話、討議したいテーマ(経営の課題と改善策への提言)、チーム割りなどののち会議室に集まって討議を始めてもらいました。

1泊2日の研修であったので、時間内の会議室での討議をした後、三々五々に自分達の部屋に戻って夜遅くまで討議をされていました。

筆者は、皆が楽しく討議できるようにと、本当はやってはいけない酒類とおつまみの提供を各部屋にしました。また、次の日は、朝早くビール缶とゴミの回収に部屋を走り回ったことを今でも懐かしく思い出します。多分、研修センターの人にも見て見ぬふりをしていただいたのだと思います。

そして、翌日(土曜日)の午前中に討議結果をまとめてもらって、午後から、事業所の所長と3人の副所長にも研修センターにお越しいただき、各グループの発表のあとの意見交換など大いに盛り上がりました。

最後に、上司(課長)と一緒に残り会場の後始末をしていた時に、その課長から”今回の三階層ミーティングは、大成功だったね!“とお褒めと労いの言葉を頂き、大変嬉しく思ったこと、自分自身のモチベーションが一気に上がったことなど2日間のイベントでしたが、今でも思い出深く残っています。

自分で発案したことが、多くの方のご支援を得て実現していくという経験は、企画部門にいた時しかできない貴重な経験であったのかもしれません。

文責 山本 晴久

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