JIS Q 9100の分かり易い解説について(第5回-2)

前回は、箇条8.5.1.2 特殊工程の妥当性確認及び管理における特殊工程の定義とその種類等についてお話ししました。

今回は、特殊工程の品質を保証するための管理方法等について、記載させていただきます。規格では次の通り、具体的な管理(⇒以降で説明)が要求されています。

箇条8.5.1.2 特殊工程の妥当性確認及び管理
 結果として・・・・手続きを確立しなければならない。

 a )プロセスのレビュー及び承認のための基準の決定
 ⇒特殊工程の作業を実施する前に、設備、作業者(必要に応じ)を承認するための企業様としての作業条件(温度、時間等)及び検査・試験に関わる基準を明確にする必要があります。企業様において当該特殊工程に対し独自のやり方、条件等がない場合は、公的規格(AMS××等)を参考にされると良いです。

 b)承認を維持するための条件の明確化
  ⇒最初に承認した以降に再承認する場合の条件を明確にすることが要求されています。例えば、設備の改修、作業条件の変更、定期的な妥当性の確認(通常は1年)等があります。

 c)施設及び設備の承認
  ⇒上記ā)の基準に基づき、承認対象の設備を使用してテストピース等を処理して、処理したテストピースを検査、試験等を行い、基準を満足しているかを確認します。満足している場合は、当該設備に有効期限を表示等して管理します。

 d)人々の適格性確認
  ⇒溶接等のように作業者の技量が品質に大きく影響を及ぼす作業は、上記ā)の基準に基づき、専門知識のペーパーテスト、テストピースによる実技による技量確認等を行います。試験結果が基準を満足していれば、作業者を認定します。

 e )プロセスの実施及び監視に対する所定の方法及び手順の適用
  ⇒承認した設備等を用いて、顧客が要求する作業条件に従い作成した作業手順書等に基づき作業します。

 f )保持すべき文書化した情報に対する要求事項  
  ⇒工程、設備、作業者の承認又は認定に関する記録、実作業における作業条件の管理、検査、試験結果等の必要な記録を明確にすることが求められています。                 

 2回に亘り、特殊工程の定義及び品質を保証すために必要な承認された設備、作業条件及び作業者の技量管理(必要に応じ)等について、お話させていただきました。 次回は、箇条8.5.1.3 製造工程の検証について説明させていただきます。  

文責 松田一ニ三

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