JIS Q 9100の分かり易い解説について(第4回-1)

前回、前々回の2回にわたり、JIS Q 9100:2016の箇条 8.1.3 製品安全について、記載しました。

今回は、箇条 8.1.4 模倣品の防止についてお話しさせていただきます。
先ずは、規格の要求事項を次に示します。

「組織は、組織及び製品に応じて適切に、模倣品又は模倣品の疑いのある製品の使用、及びそれらが顧客へ納入する製品に混入することを防止するプロセスを、計画し、実施し、管理しなければならない。  
注記 模倣品防止プロセスは次の事項を考慮することが望ましい。
     具体的な7項目の防止策(次回メルマガで説明)が要求されています。」 

 なお、模倣品は箇条 3.1 模倣品(counterfeit part)で次の通り定義されています。
 「正規製造業者又は承認された製造業者の純正指定品として、故意に偽られた無許可の複製品、偽物、代用品又は改造部品(例えば、材料、部品、コンポーネント)。
注記 模倣品には、例えば、マーキング若しくはラベルの貼付、グレード、シリアルナンバー、材料コード、文書類又はパフォーマンス特性の偽の識別が含まれ得る。ただし、これらに限定しない。」

  模倣品の防止活動におけるポイントを次に示します。

  • 模倣品とは、俗にいう偽物です。
    昔、テレビのニュースで、中国製のバッグなのに有名ブランドメーカーのマークが入ったバッグが紹介されていましたが、こんなのに騙される人はいないよと言ったものでした。ところが、偽物とばれないようにする技術が向上して、簡単には偽物とは判別がつきにくいものが出回っています。
  • 企業様における模倣品の防止活動のポイントは、各企業様において模倣品のリスクの高い購入品は、何かを明確にすることです。特に電子部品、材料等を商社経由で海外調達される場合、模倣品を購入するリスクが非常に高いかと思います。その品目については、購買先は企業様にメーカ名等を偽って納入しようとしているのに対して、受入検査等で騙されないような管理、いわゆる性悪説に基づく管理が必要となります。

 今回は、模倣品の定義等について解説しましたが、次回は模倣品を購入しないための具体的な活動についてお話しさせていただきます。          

文責 松田  

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