JIS Q 9100の分かり易い解説について(第3回-1)

前回は、形態管理の目的は、製品ライフサイクルを通じて、製品の形態(改訂符号等)を適切に管理することで、そのために必要な具体的な管理方法について記載しました。

今回は、飛行安全等に直結した製品安全について説明します。
規格の要求事項では次の通り、規定されています。

箇条8.1.3 製品安全
組織は、組織及び製品に応じて適切に、製品ライフサイクル全体で製品安全を保証するために必要なプロセスを計画し、実施し、管理しなければならない。
注記につきましては、下記①~④に対し具体的な説明を含め以下に記載します。

本要求事項は、製品の信頼性を向上させるためのものであり、主に設計部門が設計・開発時に考慮すべき事項が示されています。

①ハザード(hazards)の評価及び関連するリスクのマネジメント
  設計FMEA (故障モード影響解析) により、主に製品設計段階で製品及びプロセスの持っているリスクを抽出    し、分析・評価し、そのリスクを可能な限り排除又は軽減する設計を検討します。

②安全クリティカルアイテムの管理
 製品安全において、重大な影響を与えるアイテム(品目)に対して特別な管理が要求されます。
例えば、製造段階から運用時の時間軸のデータや不適合の事象を取得し、設計部門で分析・評価します。

製品安全に影響を与える発生した事象の分析及び報告
 発生した安全に影響を与える不適合について、原因の特定と是正処置のみならず、時間軸のデータを基に信頼性の観点から分析。評価し、対策につなげることです。

これらの事象の伝達及び人々の訓練
 製品安全に影響を与える不適合に対する分析結果を、関連部門に伝達して、教育・訓練を行い、製品安全に対する認識を高揚し、不正防止を図ります。

 今回は、設計部門が設計開発時に考慮すべき製品安全として考慮すべき活動について記載しました。次回は、規格の要求事項としては明確にされていませんが、設計部門以外の部門が製品安全として実施すべき事項についてお話したいと思います。 

文責 松田一二三  

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