この新しい会社への転出が決まり、筆者の生まれ故郷でもある京都にある本社での入社式の後、研修の一環として先輩の管理者の方たちと話をする機会がありました。ほとんどの方たちは前職の企業で管理職(部長など)を務めた後、この会社に転出された方々でした。大手の銀行、製造メーカ、商社などであり、筆者も大手重工メーカでの宇宙開発の品質保証の経験などを話し、盛り上がったことを覚えています。

出身母体はいろいろですが、この会社への思いのようなものを話した人たちから感じることができ、これから自分も仲間になるんだという決意のようなものが生まれました。

 そして、その後技術研修を受けることになりました。長野技術開発センター(今は、中央自動車道の名古屋から見て少し手前に技術開発センターの大きな建物がありますが、当時は駒ヶ根インターから車で15分くらいの飯島というところにありました)で1か月余りの研修を受けました。そこでは、品質保証部門の課長が窓口になり、設計開発部門、製造部門、品証部門、調達部門などいろんな方からレクチャーを受け、また日常行われている会議などにも参加させていただきました。

実は、そこでカルチャーショックを受けることになりました。ある時、海外の現地工場との打ち合わせ会議があり参加させていただく機会を得ました。
指示された会議室に入るといわゆるスピーカーフォン(電話会議システム)で会議をしており、出席者全員がPCを持ち込み、先にメールで送られた資料などをPCで見ながら話を進めているではありませんか。紙の資料を見ている人はほとんどなく、ノートを持ってきてない人もいました。

前職の会社では、まだまだ紙の世界で情報がもたらされており、会議室にPCを持ち込む人などは、ほとんどいませんでした。(尤もデスクトップでは無理ですが)特別に重要な客先との会議などではTV会議をやっていましたが、日常の会議では、ここまでの情報ツールの活用はしていませんでした。

会社の扱っている製品は、PCの構成品の一部になるもので、いわばPC業界であり、PCそのものが身近な製品ということもあったのかもしれません。今でこそ、コロナ禍の影響もあり、Webミーティングは日常の光景ですが、今から20年近く前にこのような形で会議が行われていることに正直ビックリいたしました。

研修内容としては、設計開発部門からは、モーターの原理から顧客情報まで、そして現在開発している製品の特長なども細かく教えていただきました。製造部門からは現場を見ながら細かい生産工程を、品証部門からはよく起きる品質問題などを教えてもらいました。調達部門からは、サプライヤさんの実態を知るため訪問計画を立てていただき何社か訪問しました。

もともと長野県は、時計産業など精密工業の盛んなところであり、HDD用の精密モーターもこのような土地柄の下で育った製品で、関係する部品メーカ、材料メーカなども近くにあり、以前在籍した航空機製造では見られない、特殊な機械なども見ることができました。。

さて研修時にいたところの環境を少し紹介しますと、研修センターは、県道から少し入りこんだところにあり、道すがらパターゴルフ場などがある避暑地のようなところで、研修センターの敷地の隣には、味噌を作る大きな工場があり、風向きによってはその香りのするようなのどかなところでした。

廻りの風景は、東に南アルプスの3000メートル級の山々を、西には、中央アルプスを一望に望むことができ、季節も春たけなわの時で都会での生活しか経験していない自分には、一時の爽やかなプレゼントをもらったような気になりました。連休には、家族も遊びに来てくれて川遊びをしてプライべートも満喫しました。

 その後、本社にある中央開発技術センターでも、1か月の研修を経て、日本では梅雨の季節に熱帯地方のフィリピンに赴任することになりました。

文責 山本 晴久

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