今回は、タスクフォース活動の一員として活動した時の話をしたいと思います。

タスクフォース(チーム)の意味とは、「組織内部で緊急性の高い問題の解決や企画の立案などを行うために、一時的に構成された組織のことで、特別な役割を一時的に担う、もしくはその一時的役割を担うメンバー全体」ということになります。

当時は、事業所の課題として「部品管理の効率化」というのがありました。(Ⓑというのは、部品:Buhinの頭文字のBを取ったものです) 設計部門が図面を作成し、内作品では材料を調達し、製造/品証部門で加工/検査をして完成する。また、購入品ではサプライヤに図面スペックを提供し、加工/検査をしてもらって、受入検査をして領収します。

大きくは、こういう流れの中で組立ショップに必要な部品を如何に効率よく、スケジュール通りに提供するかというのが課題でした。部品点数が多く、調達先も国内と海外がありスケジュールキープは至難の業でした。

そこでこれらの問題を解決するべく、設計、生産管理、調達、品証の各部門から2人ずつ計8人がタスクフォースのメンバーに任命されました。

筆者は、品証部門所属であり、特にこの活動では、不適合品処理の迅速化がテーマにしよいということになりました。下記のフロー図に示す通り、部品の不適合が発見されるとI-Tagというフォーマットを起草し、処置が完了するまで多くの部門にそれが行き来するようなことになっていました。このI-Tagは、5枚つづりで、1枚目に書いた文字がカーボンを介して5枚目まで写るようなもので、更に最後のページは厚紙で、作業現場で再加工手順の指示ができるような複雑な形態になっていました。

活動の詳細は省略しますが、専任でなく日常業務もこなしながら活動したので夜遅くまで居残って作業して大変でした。しかし、品証部のもう一人のメンバーの方は、検査の現場作業に深く精通していた方で随分助けていただき、また、いい勉強ができました。

実は、このタスクフォース活動で品証部から提案した事項は、すぐには取り入れられることなく、I-Tagフォームの記入項目を少し変更し、A5サイズがA4サイズになり記入しやすくなった程度で成果はあまりなかったことは残念でしたが、この活動を通じて親しい仲間ができたことは、大きな収穫でした。

 当時は、すべてが手書きの紙ベースであり、思い切った改善ができませんでしたが、その後は、帳票の電子化も徐々に進み、それから10年もしないうちにI-Tagの電子化がなされ、当時やりたかった多くのことが一気に改善されました。

今では、ICTのデジタル技術を使うことで改善が簡単にできるようになりました。しかし、改善に際しては、デジタル化以前の問題として、従来業務の問題をどう解決するかの検討がまず第一歩で、デジタル化すれば解決するということではないことだけは、肝に銘じておきたいと思います。

文責 山本 晴久

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