品質マニュアル作成のポイントについて

JIS Q 9100の認証取得に取組まれる中小企業様の支援開始時に、「どのような品質マニュアル(以下「QM」という)を作成したら良いか教えて欲しい」とよく尋ねられます。今回は、筆者が考えていることをお話ししたいと思います。
中小企業様には、基本的には、次に示すようなQMの目的を理解したうえで、作成のポイントを考慮したシンプルなQMを作成されることを推奨しております。

1.QMの目的
QMを作成されるにあったては、その目的を適切に理解しておくことが重要です。
QMは企業様の品質マネジメントシステム(以下QMSという)に関わる重要な業務要領です。したがって、JIS Q 9100の要求に基づき、企業様の規模、やり方に見合った運用・管理し易いように制定されればよいです。

2.作成のポイント
(1)細部規定は最小限に!
細部規定は極力少なくして、QMだけで活動内容が理解できるように規定されることが望ましいです。認証機関の審査においても、QMのみで殆どの対応が可能となります。
細部規定を作成するのは、変更が多いプロセス、具体的な手続き等(例えば、文書管理、不適合品管理、内部監査など)に限定されるとよいです。木に例えると、幹と枝をQMで規定し、葉は細部規定で規定することになります。

(2)主語を明確に!
主語が“当社は”または“××担当部門は”で規定されており、どこの部署が担当するのか不明確なQMを、しばしば拝見します。
QMでは具体的な部署(××部、××課)を規定する必要があります。なお、担当部署はJIS Q 9100の“箇条5.3 組織の役割、責任及び権限”に基づき、QMで明確にされた各部署の業務と整合性が取れていることが基本です。

(3)企業様の実施事項を明確に!
JIS Q 9100の要求事項をそのままオーム返しに規定されているQMもよく見受けられます。例えば、「××することを確実にする」、「××を実施しなければならない」は、規格の要求事項を示す用語なのです。QMでは、これを受けて企業様として実施する具体的な実施内容を規定する必要があります。例えば、「XXを実施する」、「××を検証する」というような表現になります。

(4)わかり易いQMに!
文章を単に箇条書きにするのではなく、表、図及びフロー図を有効活用すると大変分かり易いQMになると思います。また、文章の段落(頭出し等)にも気を付け、文章のつながり、関連を適切に表現することも大切です。

以上、QMを新たに作成または見直される企業様の一助にしていただければ幸いです。

文責 松田一二三

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